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伊豆西岸のとっておき・松崎町(3) "日本一"の鏝絵に見る天才の技

伊豆の長八美術館に展示

「鏝(こて)で伊豆長が日本一」と讃えられた松崎出身の左官、入江長八の鏝絵(こてえ)を常時50点以上展示しているのが「伊豆の長八美術館」。

漆喰彫刻、漆喰芸術とも称される鏝絵。もとは左官が施主に対する漆喰仕事のお礼として土蔵や母屋の壁などに残したものだが、施主側が希望し着色した漆喰で外壁を装飾することもあった。

江戸末期から明治にかけて、入江長八はそうした職人仕事を、芸術の域にまで高めた。長八美術館では龍や天女、海辺の風景などを題材にした鏝絵の数々が観賞できる。

長八美術館

入江長八の鏝絵。
職人技がアートに

長八美術館では漆喰鏝絵の普及にも努めている。例年、春休み期間には鏝絵体験教室を開催。美術館職員の指導で、鏝絵を作成・着色し、オリジナルの作品を作ってもらう。体験は約1時間30分―2時間程度で、料金は1人1千円。

年中無休で開館時間は9―17時。入館料は大人500円。中学生以下は無料。

長八の作品は、松崎町にある国指定重要文化財岩科学校でも見ることができる。

岩科学校は1880年に開設された伊豆地区最古の小学校で、なまこ壁をいかした社寺風建築様式とバルコニーなど洋風を取り入れたデザインが印象的。正面玄関に掲げられてある「岩科学校」の扁額は、時の太政大臣三条実美の書で、その上の龍は入江長八が棟梁の「のみ」をかりて彫ったと伝えられている。

また、階上の日本間欄間には長八によってほどこされた千羽鶴が、一羽一羽形を変えて描かれている。

年中無休で開館時間は9―17時。入館料は大人300円。中学生以下無料。

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