壱岐の神秘に出会う旅(1) 神社のチカラ
「壱岐のモンサンミッシェル」や月のパワー
海に浮かんで、遺跡や神社をめぐり、食や温泉で癒される。博多港から高速船で最短65分の地にそんな旅がある―。
壱岐市は旅人に提案する観光のコンセプトを「実りの島」という言葉に集約して打ち出している。そのなかでも、ここでは「神社」と「自然」に絞って魅力を紹介したい。島民が古来より、ともに暮らし、守り続けてきた「壱岐のチカラ」に出会う旅へ。
芦辺町は〝神のチカラ〟に満ち溢れた地。男嶽神社は男岳山山頂にある。明治時代まで山そのものがご神体とされ、入山も禁止、麓から参拝していたという歴史を持つ。祭神の猿田彦命にちなみ、200超もの石猿が立ち並ぶ光景はここだけのもの。現実離れとユーモラスを同時に感じさせる、なんとも不思議な力に満ちている。
同町の沖に浮かぶ小島。ここも島全体が神域で、小島神社として信仰を集める。岸から約150メートル離れた地にあるが、1日2回の干潮時には島へとつながる〝参道〟が現れる。月の引力がもたらす自然の神秘を感じずにはいられないスポットとして、そしてその特徴的な存在から「壱岐のモンサンミッシェル」として近年注目を集める。恋愛成就にご利益があるとして口コミで広がり、参拝に訪れるカップルも多い。
芦辺町にはこれと反対に、大潮の満潮時に特徴的な姿を示すスポットがある。八幡浦にある6体の地蔵は「はらほげ地蔵」と呼ばれ、満潮時には胴体まで海水に浸かる。「はらほげ」の由来はお腹が丸くえぐられていることから。祀った人が誰かも、その理由もはっきりとはわからない、とにかく謎に包まれた、壱岐のなかでもトップクラスに〝不思議〟な地なのだ。
月といえばもうひとつ、月讀神社がある。日本書紀によると487年、月神に宣託で壱岐の県主の先祖である忍見宿禰が分霊したとされる。京都・松尾大社に分霊したことでも知られ、これによって神道が根付いたという説もあるなど、特徴的な由緒を持つ。傾斜の強い石段の先には小さな拝殿。歴史の重みを漂わせる静かなたたずまいにパワーを感じずにはいられない。
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