観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

安来「イチゴ一会」 商品開発などブランド化進む

特産イチゴが高評価 取り組みが奏功

島根県安来市は、島根県内最大のイチゴ産地。糖度が高い「章姫」や糖度と酸味のバランスに秀でた「紅ほっぺ」などの品種を生産している。市では観光誘客の1つの武器としてイチゴに着目。2013―15年度の3カ年にわたる観光推進事業の一環として、安来産イチゴの知名度向上やコンテンツ化などブランド化を図る「苺一縁(いちごいちえん)プロジェクト」を展開してきた。

安来産イチゴは早むしりをせず、じっくり熟してから収穫するため甘くジューシー。しかし市内や近隣地域でしか販売されておらず、知る人ぞ知る存在だった。市と安来市観光協会は、新しい食の観光素材を考える際に、この甘いイチゴをクローズアップ。ハート型の見た目、「愛情」という花言葉などから「縁結びいちご」として売り出しをスタート。加えてイチゴに含まれるポリフェノールが美肌・美白に効果があることもキーワードに加え、プロモーションを展開した。

市やJA、観光協会などの女性スタッフで「やすぎいちご女子会」を結成し、女性客への認知度アップにつながるスイーツ商品を開発。市内の和洋菓子店や食品メーカーも後押しし、昨年11月に商品化した、同女子会と江戸期に創業した島根県内随一の老舗、中浦食品によるイチゴと山陰を代表する銘菓のコラボで「どじょう掬いまんじゅう(いちご)」は販売面だけでなくメディア露出も上々と成果を残した。島根ワイナリーの「いちごワイン」や縁結び八重垣八重の「いちごチョコパフェ」などプロジェクト開始から安来産イチゴを使った商品は70品目以上となるなど、層の厚さは従来に比べ歴然だ。

やすぎいちご女子会

「やすぎいちご女子会」の皆さん

地道に展開してきたプロモーションも奏功。同女子会によるメディア出演や、SNSなどによる情報発信はもちろん、市内宿泊施設に泊まった人を対象とした懸賞キャンペーンなど幅広く展開してきた。メディア露出が増加した結果、15年度の広告換算効果は約8400万円、中四国や関西での知名度向上で問い合わせも増えた。もちろんイチゴそのものの販売も増えてきたという。

市では、安来市の認知度と観光動機の向上など観光のきっかけづくりとなる素材として一定の効果を創出したと評価。安来市観光協会の山縣将平さんは「今後商品コンセプトやメッセージ性を磨き、ブランド化推進と販路拡大に取り組みます」と意気込んでいる。

山陰島根 旅のおすすめサイト

購読申し込み
夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ