島文化を楽しもう 牛突きや祭りに隠岐の風土感じる
15/06/17
離島ならではの歴史
独特な風土・生活文化を持つ隠岐。離島という地理的な条件はもちろん、古事記の国生み伝説に登場する長い歴史の中にも、その要因を見出すことができる。
島後の牛突きは鎌倉時代、隠岐に流された後鳥羽上皇を楽しませるため始まったもので日本最古とされる。黒牛の激闘は島民の血をたぎらせ年3回の本場所のほか、隠岐モーモードームでも毎月数回開催されている。
隠岐古典相撲は祝い事の際に催されるもので、各村の代表力士が村の威信を賭けて戦いを繰り広げる。隠岐の子どもたちは相撲に取り組むのが伝統で各地に土俵が点在。水若酢神社の土俵は格式が高く、隠岐古典相撲を描いた映画「渾身」の舞台になった。
島後の福浦トンネルは明治初期に掘られた手掘りのトンネル、昭和期に機械で掘られたトンネルが並ぶ。屋那の松原・舟小屋群は杉皮葺きの屋根に浜辺の石が乗せられた船のガレージ。漁業の島ならではの光景だ。
祭りも多種多様だ。隠岐国分寺蓮華会舞は平安時代から伝わる重要無形民俗文化財。一時廃れていたものを島民が復活させた。玉若酢命神社では島後の8地域からそれぞれの氏神様を乗せた神馬(しんば)が集まり、境内を駆け上がる勇壮な馬入れ神事が行われる。島根県は各地に神楽が残るが、隠岐にも島前と島後でそれぞれ個性的な神楽が伝承されている。
海士町の隠岐神社は後鳥羽上皇を祀り、神主の案内で正式参拝する夜間参拝を海士町観光協会が実施している。
隠岐の魅力は、圧倒的な自然景観ばかりではないのだ。
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