これが"世界基準"隠岐の自然(2) 隠岐の島町・海士町
隠岐の島町 海山にロマン求めて走る
島後・隠岐の島町は海の景観はもちろん、島内に広がる森林が清々しさを与える。海山のロマンを求めて島内を走る。
島の北西の沖合に離れ岩と呼ばれる高さ20メートルの細長い岩が浮かぶ。夕暮れ時、ちょうどこの岩の頂点に夕陽が落ちていくと、巨大なローソクに火を灯したような光景に。自然が造り上げたロマンチックな瞬間はわざわざ出向く価値がある。
ローソク島自体は近くの展望台からも眺められるが、この奇跡の瞬間が眺められるのは福浦・赤崎岸壁から出航する「ローソク島遊覧船」から。
内陸部に入っても森林が織りなす神秘の景観がある。壇鏡神社の両脇、高さ40メートルの屏風のような岸壁から流れ落ちる2つの滝「壇鏡の滝」。雄滝は裏側からも観賞できる別名「裏見の滝」で、パワースポットとして訪れる人も多い。
隠岐ジオパーク独自の生態系を示すのが杉。島後の森林には杉が多く、数百年も生き続ける巨木が点在する。玉若酢命神社境内の八百杉は約2千年、かぶら杉は約600年も生きる神木、今は近くで見られないが岩倉の乳房杉(ちちすぎ)の樹齢は800年。この「隠岐三大杉」は生きる地球の象徴だ。全長30メートルの奇岩「トカゲ岩」へも足を延ばしたい。
島後をガイドとめぐる「隠岐世界ジオパーク デビューの旅」は2コース。午前発「ちちすぎコース」は風光明媚な景観が美しい白島展望台、かぶら杉などをめぐる。午後発「だんぎょうコース」。玉若酢命神社、壇鏡の滝、貴重な動植物が生息する湿原・油井の池などを周遊する。基本は4―10月の土日催行。
海士町 海で感じる風雅
中ノ島は後鳥羽上皇が流された地として知られ、ゆかりのスポットも多い風雅の地。海に出ればその歴史に見合う風流な光景に出会える。
明屋海岸はエメラルドグリーンの海が広がり、赤褐色の崖や奇岩とのコントラストが風光明媚な景観を生む。女神がお産をしたという伝説が残り、「たらい岩」と「屏風岩」が産屋。屏風岩はハート型の空洞が人気を呼び、「ハート岩」として親しまれている。
「三郎岩」は、菱浦港の北東に浮かぶ大中小3つの岩。「太郎・次郎・三郎」と呼ばれ、仲良く並ぶ姿が愛らしい。
「海中展望船あまんぼう」は、半潜水型展望船で菱浦港から三郎岩まで行き、海中散歩。展望室から三郎岩の海中部や海底が眺められる。海草や岩、石の間をスズメダイやクロダイが泳ぐ様子は自然の水族館だ。
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