これが"世界基準"隠岐の自然(1) 知夫村・西ノ島町
知夫村 癒し全開の地で際立つ絶壁の大迫力
知夫里島は島前・島後4島のなかで一番小さく、人口も少ない。どこまで行っても海と山、そしてそこで暮らす人々が醸し出すのんびり感が旅人を癒してくれる。
その雰囲気と対照的なスポットが、赤壁(せきへき)。三国志の合戦場と同じ「レッドクリフ」は断崖絶壁の迫力が自然の脅威を感じさせる。
牛馬が暮らす牧草地を抜け、丘を登ると突如、巨大な崖が現れる。溶岩に含まれた鉄分から赤みを帯びた岩肌は怒気を含んだような表情を見せ、眼前に迫りくる迫力に言葉も出ない。だが夕方になると夕陽と紺碧の海とのコントラストが幻想の世界に一変させる。
来居港から出航する「赤壁クルージング」では船上から赤壁を間近で。期間は4―10月。
一方で、北に行くと隠岐が誇る展望地・赤ハゲ山が爽快感を与える。晴れた日は島根半島や大山まで見渡せるという360度大パノラマは必見だ。
西ノ島町 神秘、迫力、優美の競演
隠岐に来て、ここを見ないのはあり得ない。西ノ島の国賀海岸一帯がそれ。そそり立つ断崖と日本海が織りなす景観の雄大さは隠岐の中でも最大級。隠岐の観光パンフレットのトップをよく飾る光景の実物は想像を超える迫力だ。
摩天崖(まてんがい)は海抜257メートルもの海蝕崖。海食作用でできた崖はナイフで切り取ったような大絶壁で、黒灰色と黒褐色の層が火山活動でつくられた地であることを教えてくれる。海にせり出すように屹立する崖に立つと爽快感を全身で感じるだろう。
赤尾展望所からは国賀海岸の風景を一望。崖や奇岩が入り組んだように海と溶け込む風景は壮観の一言。海にせり出した岩石が海食作用でくり抜かれたアーチ状の奇岩「通天橋」は必見だ。丘の上を牛や馬がのんびりと暮らしている様子も周囲に溶け込み、手つかずの自然の素晴らしさに気づかせてくれる。
「明暗の岩屋」と言われる洞窟はコバルトブルーの透き通った海が美しく、浦郷、別府両港から出る「国賀めぐり定期観光船」で船上から。国賀海岸は定期観光バスもある。期間は観光船、バスともに4―10月。
西ノ島にはそのほか夕陽が美しい観音岩や、島前内海と日本海が見渡せる鬼舞展望所など見どころ豊富。元町長や漁師など地元住民が参加するガイドクラブに依頼しての周遊がおすすめだ。
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