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稲取温泉伝統のつるし飾り 艶やかな雛で節句を祝う

1-3月に「雛のつるし飾りまつり」

第19回「雛のつるし飾りまつり」が1月20日―3月31日まで、東伊豆町の稲取温泉で開かれる。メーン会場は温泉街にある「文化公園雛の館」。期間中、雛の館では雛のつるし飾りとともに、日本三大つるし飾りに数えられる福岡県柳川市の「さげもん」、山形県酒田市の「傘福」も展示される。

今回から、もう1つのメーン会場に位置づけられるのが雛の館「むかい庵」。赤が目立つ通常のつるし飾りに対し、海をテーマにした青いイメージのつるし飾りが新鮮な印象を与える。海に面した部屋からは伊豆七島を望む。

両施設とも入館料は300円。大型バスも駐車できる。

稲取温泉

つるし飾りで華やかに

また、屋外展示として人気なのが素盞雄(すさのお)神社の石段の雛壇飾り。

創建617年創建の神社の階段に、雛人形と雛のつるし飾りを展示する。こちらは2月25日―3月6日まで展示する。

今では全国的に珍しくなくなった雛のつるし飾りだが、発祥の地は稲取温泉だとされる。稲取温泉では江戸時代後期から、娘の成長を願う母や祖母手づくりの「つるし飾り」が飾られる風習があったが、戦前までは盛んだった雛のつるし飾りも、戦後の混乱期を境に廃れてしまう。

しかし、近隣の町にもない稲取独特のつるし雛が廃れたことを惜しみ、1993、94年ごろに地元の婦人会がつるし雛を復刻させる。これが現在の雛のつるし飾り祭の原型となり、稲取温泉旅館協同組合が早春の目玉イベントとして引き継いだ。

つるし飾りの素朴さや手づくり感が稲取を訪れる人の心にとまり、祭りは全国に知られるようになった。

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