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世界遺産・韮山反射炉 ガイドツアーで深く知る/伊豆の国

江戸末期に大砲を製造

今年7月、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の1つとして、ユネスコの世界文化遺産に登録された伊豆の国市の韮山反射炉。反射炉とは鉄を高温で溶かし大砲などを鋳造する溶解炉で、鋳造に必要な千数百度の高温を得るために炉内のドーム状の天井で熱や炎を反射させる仕組みから反射炉と呼ばれている。

韮山反射炉は1853年のペリー来航を契機に、自前の大砲を持つ必要性に迫られた江戸幕府が建造したもので、57年に完成し、実際に64年までの間、大砲を製造した。高温に耐える良質の耐火煉瓦は、今の河津町の登り窯で生産され運ばれた。

わずか8年という短い稼働期間で役割を終えた韮山反射炉だが、奇跡的に解体を逃れ、すでに1908年には外部を補強するなど保存の取り組みが始まる。22年には国の史跡に指定されるなど、実際に大砲が製造された反射炉としては、唯一国内に現存する貴重な産業遺産だ。

韮山反射炉

韮山反射炉には世界遺産登録後
観光客が急増

価値ある史跡を観光客により楽しんでもらおうと、韮山反射炉ガイドが5人常駐している。約20分のガイドツアーで、9―16時まで対応する。空きがあれば現地での申し込みも可能だが、団体は事前の予約が必要。1人のガイドで30人ほど案内できる。

休館日は12月31日と1月1日。入館料は大人100円、小中学生50円。20人以上の団体はそれぞれ90円、45円。ただ、世界遺産登録を契機に保存態勢を拡充するため2016年4月1日以降は大人300円、大人団体270円に値上げが決まっている。小中学生料金は据え置かれる。

韮山反射炉へのアクセスは、電車は伊豆箱根鉄道・伊豆長岡駅が最寄り。徒歩だと30分かかるが、伊豆長岡駅から韮山反射炉や周辺の観光施設を回る循環バスが土日祝日を中心に運行されている。運賃は1乗車100円。

車でのアクセスは伊豆縦貫道・江間ICから。大型バス駐車スペースがある。

中伊豆の韮山反射炉へは宿泊拠点となる伊豆の各地からもアクセスしやすく、従来の立ち寄り先と合わせて、新たな周遊ルートに乗せやすい。韮山反射炉へは下田から1時間30分、河津から1時間、稲取温泉や熱川温泉から1時間10分、伊東や熱海から50分、西伊豆の松崎や堂ヶ島から1時間20分。

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