宿で味わう"地酒王国新潟" 今春からプロジェクト
13/04/03
うまい酒とうまい食
新潟県では94の蔵元が品質を競う。蔵元が県内全域に散らばっているのが特徴の1つで、それぞれの風土に合った地酒がある。
新潟淡麗と呼ばれる新潟の酒がなぜうまいのか。水や米のよさ、酒づくりに適した風土や気候に加え越後杜氏の腕がいい。そしてもう1つの理由が、新潟には全国で唯一の酒専門の県立研究機関「新潟県醸造試験場」があることだ。
試験場は、新潟県産酒の品質向上、酒造従業員の養成、酒造用原料米(酒米)の改良などを目的に1930年に設立された。ライバル関係にある蔵元の技術指導や杜氏が一堂に会しての勉強会もある。地酒王国にいがたは、こうした育まれてきた。
この春から始まる「にいがた地酒の宿プロジェクト」は、「うまさぎっしり新潟」の主役である米、酒、魚(肴)の最後のキーワード、酒と食をつなぐ商品として市場に送り出された。地域の宿と酒蔵が連携し、各宿でうまい地酒と、地酒にあった旬の料理を食べてもらう。
準備は昨年春から進めてきた。まず、宿の経営者や従業員が新潟淡麗と、その扱い方を深く知るところから始めようと、酒造組合が2008年から実施している新潟清酒達人検定の受検が奨励された。
宿に限定した出張検定も行った結果、110人が初級である「銅の達人」に合格。にいがた地酒の宿には必ず銅の達人以上の資格者がいる。
宿は酒蔵と意見を交えながら、提供する酒を決め、料理を開発した。宿は普段の保管から運び方まで、地酒をきちんと扱い、食事客の求めがあれば、担当者がうんちくを込めて地元の酒のうまさと料理の相性を解説してくれるだろう。
新潟県では半数近くの酒蔵で酒蔵見学ができる。あとは見学してから飲むか、飲んでから見学するかを決めるだけだ。