観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

下呂版DMO胎動(2) エコツー視点で地域色出す

食べ歩きスイーツや広域観光など幅広く

―観光庁のDMO登録の呼びかけは下呂にとって追い風だということですね。

瀧 そうですね。これまで観光事業者の連携不足や勘と経験、思い入れ重視で客観的なデータの収集・分析ができていないことが観光地づくりの課題とされてきましたが、下呂温泉ではすでにKGI(経営目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)、PDCAサイクルを明確化する組織を作っています。

これまでにも旅行会社や調査・企画会社に調査データを元にした商品開発を依頼し、新規顧客・リピーター獲得につながる事例も出ています。助成金を出すことで関東方面からのバスを使ったツアーが増加し、白川郷より手軽に行けるということで下呂温泉合掌村の来訪が大幅に増え、今年度は合掌村事業の黒字化に成功しました。

DMOとは顧客が求める商品やサービスをつくり、その商品を効果的に得られる活動のすべてを行う地域マーケティングであり、地域の質的向上を図るブランディングです。最も重要なのは「魅力があり稼げる地域」となって、地域経営の推進役としての役割を担えるかどうかです。

下呂温泉にとって自然環境も大きな地域資源で環境保全は大事な要素です。その点からすると下呂温泉のDMOはエコツーリズムを加えたE―DMOを構築することが下呂版DMOだと思います。

―下呂版DMOは具体的にはどのような事業を行うのですか。

瀧 いくつかありますが、まず魅力発見・ブランド発信業務として、食べ歩きができるスイーツ開発や日本三名泉のPR、メディア活用及びウェブプロモーションが挙げられます。

着地型観光環境整備・モニターツアー実施業務では、エコツーリズム全体構想の作成や学生を活用した地域活性化・旅行商品開発事業、教育旅行受入体制整備・誘致事業などがあります。

このほかにも下呂温泉を中心とした広域観光拠点における体験型滞在型プログラムの開発、下呂・中津川地方の観光ルートマーケティングや旅行商品造成などに取り組むことで、下呂市だけでなく広範囲な地域の魅力づけを付加できると思います。

いずれにしましても小さな組織でも、まず動いてみること。リピーターに来てもらって地域の活性化につなげること。机上で物事を考えず現場主義を重視すること。この点を据えて下呂市の活性化を図っていきます。

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