信長公のおもてなし 岐阜市、日本遺産登録や来年入城450年で記念事業
信長のまちとして飛躍へ
岐阜市は織田信長ゆかりの地。岐阜城を拠点に全国統一を目指しただけでなく、城下町として様々な先鋭的な整備を施し、外客を迎える「おもてなしの地」としての機能をこの地に根付かせたという文化面での功績が大きい。その地域文化は2015年4月、文化庁の日本遺産第1弾として「『信長公のおもてなし』が息づく戦国城下町・岐阜」のストーリーが認定された。そして17年には信長の岐阜入城、岐阜改名450年という節目を迎え、記念事業を展開。岐阜市は今、信長のまちとして飛躍しようとしている。
日本遺産のストーリーは、信長が岐阜で行った「おもてなし」にスポット。信長は岐阜城下町の街路整備や「楽市楽座」などのまちづくりはもちろん、城の山麓に「山麓居館」というもてなしの拠点を築いた。当時も有力者を招き、もてなすことで権勢を示すことが重要視されており、商人・津田宗及やイエズス会宣教師のルイス・フロイス、公家、武将らがもてなされたという。
ここから見る眺望はもてなされる者だけの特権。金華山や長良川の美しい自然環境や眺望をまちの魅力としておもてなしに活用し、城に「魅せる」という視点を持ち込んだことは、当時としては画期的だっただろう。
今でも観光の名物として知られる「長良川の鵜飼」も信長はおもてなしの素材として用いた。鑑賞、そして獲れた鮎は美濃の特産品として重宝されてきた。鵜飼や岐阜城をはじめ、寺院や自然景観、町並みに信長時代から続くまちの魅力が受け継がれている。
残忍なイメージが強い信長だが、こうした文化面を重要視する才能があったことも事実。この信長の功績は、今の岐阜市のおもてなしの心意気に根付いている。
17年は信長の岐阜入城が節目を迎え、市など地元の産官学が一体となって「岐阜信長公450プロジェクト」を展開する。1月1日―12月31日まで、様々な事業を実施。地元の英雄の節目を盛大に盛り上げる。
市内各所、商店街などで食や文化をテーマにした「ぎふ信長楽市」、新名物料理の開発をはじめ、市内観光を楽しむイベントが計画されている。今年12月31日まではプレイベントを開催中。
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