観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

秋冬が北近畿の真骨頂

4エリアの個性がぶつかり合う

季節が夏から秋、冬へと移ろうに連れ、気温の低下とともに旅に求める情緒も変化していく。四季折々の風情こそが日本の魅力だが、郷愁の秋、雪景色の冬と大人の旅ムードが充満するこの季節に適した地が、北近畿エリア。豊かな山々と日本海という自然環境がもたらす景観、風土、食が輝きを増し、秋冬こそ本格的な観光シーズンを迎えるのだ。

北近畿は大きく4地域に分けられる。兵庫県北部の但馬、京都府北部の丹後、京都府と兵庫県にまたがる丹波。さらに丹後・丹波と隣接する福井県若狭路を加えた広範なエリアで構成され、地域の個性がぶつかり合う激戦区でもある。

但馬は城崎、湯村の二大温泉地を擁し、近年は竹田城跡というビッグな観光スポットが出現した歴史風情溢れる地。丹後は日本三景・天橋立をシンボルに、伊根の舟屋、軍港都市・舞鶴など独特の地域性が観光客の心をくすぐる。丹波は田園と山々が演出する里山風情が懐かしさを感じさせ、海の風情に包まれた若狭路との対比を楽しむ旅もおもしろい。

この個性に統一感を与えるのが季節感。特に秋冬は観光客の多さが魅力の輝きを物語る。秋は地域全体を染め上げる紅葉。丹波の古刹を代表格に各地で圧巻の赤の風景が広がり、歴史風情が際立つ城下町散策にも多くの人が繰り出し、賑わいに包まれる。冬に入ると但馬や丹後の山間部は白に彩られ、ウインタースポーツと湯けむり情緒という冬だからこその楽しみを提供してくれる。

高源寺

丹波紅葉三山のひとつ
高源寺の境内

竹田城跡

雲海に浮かぶ天空の城・竹田城跡
(写真提供・吉田利栄氏)

旅の楽しみを増幅させる食も一年で一番の活況。秋は丹波で丹波栗や黒豆が、冬になれば丹波のぼたん鍋、若狭の若狭ふぐ、山陰の松葉ガニ登場する。全国のカニファンが待ちに待ったとばかりに殺到するのが冬の風物詩だ。

天橋立

日本三景・天橋立の「飛龍観」

三方五湖

三方五湖をレインボーラインから望む

今年は京都府北部が地域づくりプロジェクト「海の京都」を本格化させ、兵庫県但馬は一大観光キャンペーン「夢但馬」を展開するなど新たなスタートを切った北近畿。魅力を新発見、再発見する機運が地域全体で高まりをみせる。この秋冬、これまで以上に輝いて見える北近畿へ心豊かな旅に出かけたい。

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