千年のかくれんぼ　にし阿波で「日本の原風景」を体感

13/10/22

悠久の歴史が生む神秘性と懐かしさ

剣山を中心に豊かで独特の自然景観に彩られた徳島県・にし阿波。自然に溶け込むように生活してきた人々によって紡がれた悠久の歴史はこの地ならではの文化、伝承、風景を生み出した。それは現代にあって、他に類を見ない魅力として存在感を放つ。

にし阿波観光圏では「千年のかくれんぼ」と銘打ち、大歩危祖谷地域をメーンに、この魅力を観光商品として設定。いずれのプログラムも個性の強さが光り、地域そのものを体感できるものだ。プログラムに参加して「日本の原風景」の風土を肌で感じたい。

標高５００―８００メートルの山の急斜面に張り付くように広がる落合集落。昔ながらの家屋が点在し、伝統的な農業が今も行われている光景は「日本の原風景」といえる。国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されており、守っていくべき風土がここにはある。

落合集落を歩くミニハイキングツアーは、地元ガイドの案内で集落の生活文化を体感。秘境の世界観に触れられる。

“天空の里”落合集落

大歩危・祖谷温泉郷は深い谷と山々に取り囲まれた秘境の温泉地。個性豊かな旅館ホテルが立ち並び、自然の癒しとおもてなしで旅行者に寛ぎを提供する。

この地では早朝、吉野川から発生する水蒸気から霧が立ち込めることが少なくない。山に登るとそれは雲海として壮大な景観を形成する。大歩危・祖谷に宿泊した人は雲海を見る特権を知らず知らずのうちに手にしているということだ。

雲海ツアーは10―12月の宿泊者へのオプションプラン。雲海予報でゴーサインが出たなら早起きして神秘の世界に飛び込もう。この期間以外は「朝霞ツアー」として川霧をゆっくりと。

早朝には雲海の
幻想的な風景が

自然の秘境・祖谷渓

大歩危小歩危、祖谷からさらに進むと奥祖谷。平家の落人伝説が色濃く残り、地域固有の歴史風土にファンも多い。奥祖谷二重かずら橋や、武家屋敷などの平家伝承の舞台、そして集落の風景、名頃の「かかしの里」。地域が漂わせる秘境ならではの空気感はここだけのものだ。

これらを巡る「秘境・奥祖谷ツアー」はタクシーで快適に。旅館ホテルから出発する。平家伝承の地を巡るガイドツアー「もうひとつの平家物語」もおすすめ。

奥祖谷二重かずら橋

名頃地区「かかしの里」

この地は数多くの妖怪伝承でも知られ、「山城・大歩危妖怪村」として名を馳せる。こなき爺をはじめ妖怪たちの伝説を追ってのウオーキング「妖怪の里歩き」も楽しい。

つるぎ町一宇地区は全国有数の「巨樹の里」。豊かな自然の象徴でもある巨樹を地元ガイドと訪ねる「つるぎ巨樹めぐり」は自然の素晴らしさを体感させてくれる。

そのほか、祖谷街道の見どころをめぐるハイキングも設定されている。

山城・大歩危妖怪村のこなき爺像

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