美作三湯の女将が大いに語る 美作国1300年への思い
美作三湯女将の会・華の会(18会員、佐々木裕子会長)の代表から「美作国建国1300年」に関する考えを聞いた。話は佐々木さん、上塩浩子さん(湯原温泉・八景)、鈴木和枝さん(奥津温泉・奥津荘)から。
「心の思い出」つくるイベントに
佐々木 「美作国建国1300年」の実行委員会は昨年設立されましたが、私たち女将の会では5年前から準備を進めてきました。美作国は和銅6年(713年)4月3日に建国されたと書物に正確に記録されています。書物への記載は京都・丹後国、九州・大隅国と美作国の三国だけだそうで、このロマンに魅かれてしまいました。
鈴木 建国事業のプレイベントのキックオフとして、5月30日、美作市で湯郷ベル所属でなでしこジャパンで活躍する宮間あや選手、美作在住で数々の文学賞を受賞しているあさのあつこさんら女性5人によるシンポジウム「未来へつなぐ女性のチカラ」を開催したところです。
佐々木 それ以外のイベントの詳細はまだ決まっていませんが、女将の会メンバー数人は各委員会に入って、自分たちの考えを訴えています。
上塩 今のところ、エリア内の歴史散策ウオーキングや歴史に関するシンポジウムなどを開く予定です。観光客の人たちに来ていただくことも大事ですが、ウオーキングやシンポジウムには地元に住む人たちが親子やおじいちゃん、おばあちゃんと孫で参加していただければと考えています。美作といってもエリアが広く、なかなか同じ土俵で物事を考えることができません。そこで地域に暮らす女性と子どもを育む内容にしようと思ったわけです。観光という視点で見るのではなく、この地の歴史や文化を子どもたちに伝え、子どもたちが大人になったときにどのような地域になっているのか、といったことまで掘り下げた内容にしたいですね。
鈴木 子どもたちが今住んでいるところが単なる田舎ではなく、このようなすばらしい文化があるところに住んでいるんだと認識してもらって、都会に出ても地域を誇りに思ってもらえるようになればいいと思います。今回の1300年の事業に参加して体験したこが記憶や思い出に残るものになれば最高です。
上塩 私たちはそれぞれ実行委員会の委員として知り得た情報や、現場で聞いた声なき声を地域に届けたいと思います。とにかく心の思い出をつくっていきたいですね。
佐々木 1300年は「やま、かわ、たんぼ、さくら、たき、みち、たべもの、おんせん、おもてなし。なつかしくて、あたらしい、みまさかのくにへおかえりなさい」をキャッチにしているのですが、このキャッチから外れず、心の思い出が残るものを各地域で行っていけば、自ずとそれを求めて観光客は来られると思いますし、それが本来の「観光」ではないでしょうか。
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