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瀬戸内海軸に観光戦略 松山市の挑戦(2) 道後を女子旅のメッカに

節目の年に向け 松山市観光産業振興課専門監・織田さんに聞く

瀬戸内海が国立公園指定80周年を迎える年は、偶然にも、道後温泉本館建設120周年、四国八十八カ所霊場開創1200年にあたります。ここで頑張れば、東に傾きかけた旅行市場の関心を西に持ってこれるのではないかと思ってます。

まずは、道後温泉です。「無加水・無加温で提供できる全国に例を見ない温泉中の温泉」と評され、その支柱である道後温泉本館は、年間100万人を超えるお客様をお迎えしています。

17の源泉があり、上の温度が55度、下の温度が約20度。これを4つの分湯場でブレンドし浴槽に届く段階で約43度に保てるように調整する「湯名人」の存在が、そのからくりです。また、アルカリ性単純泉がもたらす美人の湯として女性の人気も集めています。

この周辺には、子規や漱石など文豪の足跡が残り、道後温泉駅までの道後ハイカラ通りには、松山・愛媛の銘菓やお土産物店、郷土料理店が軒を連ねます。本館北側の玉の石には神話の世界が広がり、一遍上人生誕の地である宝厳寺、石清水八幡宮、宇佐八幡宮と並び日本三大八幡造りと称される伊佐爾波神社、四国遍路発祥の伝説を持つ石手寺など、全国区のスポットが徒歩圏にあります。

女性が旅先に求めるものが美の追求、パワースポット、まち歩き、歴史・文学、グルメであると言われていますが、これらの資源を磨けば、松山・道後が近い将来、女子旅のメッカとして支持を受けるのではないかと考えています。

松山にはガイドと行くまち歩き商品として「松山はいく」がありますが、女性にスポットを当てた「道後女子はいく」という商品も設けました。

現在、足湯めぐりとエステを組み合わせたコースや昔スイーツの食べ歩き、春夏秋冬という四季に正岡子規を加えた「5つのしき」を感じていただく吟行コースなど6コースを設定しています。多くの女性に自分磨きや自分探しの旅に出かけていただけるよう今後もどんどん開発していきたいです。本館120周年がそんなきっかけを与えてくれる年になればいいですね。

四国遍路も今年は4年に一度の逆打ちの年で、ご利益が高いとして、たくさんのツアー客や愛好者で賑わっていると伺っています。2年後は開創1200年です。歴史の重みを感じますし、世紀に一度の周年祭です。この年をきっかけに四国遍路に出かけてみようかという方もたくさんいらっしゃると思います。

その第51番札所である石手寺は、四国遍路発祥の伝説が伝わり「洞窟八十八カ所めぐり」や、八十八カ所札所と高野山金剛峰寺の境内の砂の袋を触る「お砂撫で」ができる古刹です。ここで住職による四国遍路の歴史や参拝の作法・手順などの手解きを受けた後、本格的な参拝体験を行ってみてはいかがですか。宝物館とセットになった商品も何とワンコインで設定いたしました。

石手寺

51番札所・石手寺は
四国遍路発祥の地

石手寺は道後温泉からも歩いて10分程度の位置にありますので、ぜひこの機会に、本場での八十八カ所めぐりで癒されていただきたいものです。

松山には、八十八カ所のうち8カ所があります。今後とも1200年に向けて、おもてなしの心と地域の宝を磨いていきたいと思います。

四国の観光客を拡大し、安定させるためには、九州がそうでありますように、四国の域内交流、そして、山陽方面からの交流を盛んにしていく必要があると考えています。瀬戸内海、道後温泉本館、四国遍路。これらの節目の年は、そのヒントを与えてくれていると思います。

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