軍港の面影にレトロ感 舞鶴を歩く
11/03/23
舞鶴市には日本海側唯一の軍港都市としての歴史が息づいている。赤れんがの風景に代表される明治の近代化の跡が、現代ではレトロの名のもとに異彩を放つ。明治の息吹を感じて、舞鶴港ウォーターフロントを歩く。
舞鶴港一帯には、明治34年に海軍舞鶴鎮守府が開庁。近代化の象徴として赤レンガ造りの海軍倉庫が建てられ、12棟が「赤れんが倉庫群」として今も残る。海の青にレンガの赤のコントラストが映える芸術的な光景は独特の存在感を放っている。
近年、倉庫のいくつかを改修。旧海軍兵器庫は舞鶴市政記念館としてアート・展示スペースに、魚雷庫は世界のレンガなどを展示する赤れんが博物館に、弾丸庫は舞鶴の歴史を伝える展示施設「まいづる智恵蔵」に生まれ変わった。現在も一帯を「赤れんがパーク」として整備するため、一部倉庫で工事が進められている。また、8月には倉庫群を舞台にしたジャズコンサートもあり、歴史とアートの融合が進む。
周辺には砲台跡や造船所、北吸トンネルなど軍港都市としての風景が点在。自衛隊桟橋からは停泊する海上自衛隊護衛艦を間近で眺められる。
舞鶴港は明治と現代の交差点。レトロと一言で言い尽くせないロマンチックな雰囲気に浸りながら歩きたい。