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「天空の城」竹田城跡へ登る

朝来市の竹田城跡。標高約350メートルの小高い山頂にたたずむ城跡は秋冬の早朝、雲海に包まれ、"天空の城"として人気を集める。歴史と自然が織りなす神秘を求めて、春の"日本のマチュピチュ"へ登ってみた。

秋冬の雲海も春夏の緑も天空から見下ろす

竹田城跡は、室町―安土桃山期の城郭で、南北400メートル、東西100メートルにおよぶ石垣の遺構。昨今急激に観光客が増えたと聞いていたが、この日も平日にも関わらず登山客の姿が見られた。

息を切らせて山を登ると、巨大な石垣が目に飛び込む。周囲には廃城の際に出た瓦の破片が埋まり、往時をしのばせる。

竹田城跡

廃城の際に出たといわれる瓦が散らばる。
歴史の一片が落ちているようでにわかに信じがたい

二の丸、本丸と登るにつれ、穴太積みという石垣の精巧さに驚き。天守部分までたどりつくと威容が明らかになり、「よくこの場所にこんな大きな城を」との思いが募る。緑に輝く周囲の山々、眼下に透き通るように見える竹田のまちをしばらくじっと眺めていた。

竹田城跡

壮観というほかない風景が広がる

秋冬の雲海から顔を出す姿も幻想的だが、春夏の登城もシャッターチャンスに事欠かない。澄んだ景色が奥深い歴史ロマンを際立たせてくれる。

(長池貴志)

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