浅井三姉妹を追って 戦国ロマンの足跡が点在
濃厚で切ない物語がここに 三姉妹めぐる世界広がる福井の地
戦国時代、天下の覇権を巡って、名将たちが駆け抜け、人間模様を描いた福井県。なかでも今年の大河ドラマのヒロインお江を取り巻く物語は、福井の戦国史のなかでも最も濃厚で、少しの切なさも漂わせる。そして、戦国期を語る上で欠かせない物語でもある。
お江は父・浅井長政の死後、福井で少女時代を送ったがお江の姉・お初は、三姉妹のなかでも一番福井と縁が深い。母・お市も義父・柴田勝家とこの地で生涯を終え、父と同盟を結んだ朝倉義景という名将もいる。
お初は、夫・京極高次とともに現在の小浜市に移住。小浜には、のちに常高院と名を変えたお初にまつわる史跡が点在している。お初が高次の菩提寺として建立した名刹・常高寺。お初もここに眠る。本堂から遊歩道で墓所へ。お初の侍女たちの墓がお初の墓を守るように立っており、その人柄をしのばせる。
高次が着工した小浜城址は石垣が残り、天守跡からは小浜の町並みを一望。隣接する愛宕神社にはお初所用の地蔵菩薩画像が奉納されている。
勝家とお市のロマンスは戦国福井の核といえる物語。羽柴秀吉に攻められ、2人が命を落とした北の庄城は福井市中心部に位置しお江も暮らした地だ。城址公園として整備され、勝家とお市を祀る柴田神社、三姉妹を祀る三姉妹神社も隣接。勝家像、三姉妹像は観光客の人気を集める。
少し歩けば、勝家の菩提寺・西光寺、お市の菩提寺・自性院が。福井城址や福井市立郷土歴史博物館もあり、勝家・お市散策に繰り出したい。
福井市の一乗谷朝倉氏遺跡は朝倉氏が築いた城下町だが、織田信長に滅ぼされ焼失。しかし1967年の調査以来、当主の館や武家屋敷など町並みがそのまま発掘、「復原」され、戦国城下町として全国で唯一、国の三重指定を受けている。遺跡のシンボル「唐門」や庭園、町並みは往時の栄華を伝え、歴史の重みに圧倒。年間30万人が来訪する、歴史の"ほんもの"がここにある。
さらに追究したい人は美浜町の若狭国吉城へ。信長の家臣、粟屋勝久の居城で、信長・秀吉の越前・賤ヶ岳攻めの重要拠点だ。近年発掘で当時の姿が明らかになり、「江」放映で来訪者が急増。静かなたたずまいも魅力だ。
そのほか、信長の朝倉攻めで落城した敦賀市・金ヶ崎城跡、勝家の甥・勝豊が築城し日本最古の建築様式の天守閣を有する坂井市・丸岡城、蓮如上人の布教の拠点で、勝家を苦しめた浄土真宗の聖地、あわら市・吉崎御坊跡など、福井・戦国観光の魅力は尽きない。
福井 旅のおすすめサイト
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