戦後70年に訪ねる 満蒙開拓平和記念館/阿智
15/06/03
悲劇語り継ぐ 今こそ平和を考える
太平洋戦争当時、長野県南部からは中国東北部へ満蒙開拓に全国で最多の開拓団が送り込まれた。その結末は日本の敗戦に伴い、悲劇的なものとなった。この悲劇を語り継ぐ施設が阿智村の「満蒙開拓平和記念館」。資料や証言で開拓団を通して平和のあり方を伝えている。戦後70年の今年。平和の尊さを今一度見つめなおしたい。
同館は開拓団が残した教訓を後世に語り継ごうと2013年4月にオープン。全国で唯一の満蒙開拓に特化した施設として注目を集め、今年4月には開館から約2年で来場者が6万人を突破した。各地の行政の視察や学校などからの来館も多いという。
館内では満蒙開拓に関する写真や資料、映像を展示。開拓団の住居を再現しているほか、敗戦のなかでの逃避行や収容所生活、引揚の苦労についても解説している。開拓体験者の証言を紹介するコーナーでは実体験からくる言葉の重みが平和を深く考えさせる。残留邦人の交流の場としての役割も担う。
開館時間は9時30分―16時30分。火曜、第2・4水曜休。入館料は一般500円、小中高生300円。20人以上の団体は100円引き。
満蒙開拓については同村の長岳寺も訪れたい。戦後、中国残留孤児の帰国に奔走した住職が思いを込めて鳴らしたことから「望郷の鐘」と呼ばれる鐘楼がある。今年は阿智村から平和を問う。
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