観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

着地型先進地・昼神温泉郷(1) "あるがまま"を商品化-阿智村の挑戦

地元の「当たり前」を地域一丸で磨き上げる

阿智村・昼神温泉郷が手掛ける着地型商品開発。地域の風土に触れる半日バスツアーは定着、星空観賞のナイトツアーは星空観光として広がりを見せている。取り組みの根幹は「地域にあるあるがままをわかりやすく観光客に伝える」ということ。地域一丸で試行錯誤を重ねながら着実に歩みを進めている。

観光開発を担うのは第3セクター昼神温泉エリアサポート。観光で地域活性化を図ろうと、2007年に半日バスツアーを始めた。南信エリアを「面」で捉え、宿泊拠点としての昼神温泉の存在感向上を狙った。

初年度から2年間は低迷したが、最少催行人員を1人にし旅館への営業を徹底すると3年目から上昇。周辺地域に村内観光コースも加え、バスガイド同行にすると4年目から黒字に。以後、月替わりのプランを求めてリピーターが急増、13年の利用者は初年度の2・4倍となる約5500人にまで成長した。

成功への転換には、村や旅館など地域との協力体制の構築が大きい。プランの多彩さと2次交通つきで気軽に参加できるという旅行者へのメリットも成功の要因だ。住民のおもてなし意識向上という副産物も生まれ、名実ともに「おらが村」のツアーになった。

次に取り組んだのが宿泊滞在を促す夜の商品造成。12年に登場させた「天空の楽園・日本一の星空ナイトツアー」は環境省からお墨付きを得た美しい星空を売り出そうと企画した。観光協会や商工会、旅館ホテル、スキー場、JTB中部で「スタービレッジ阿智誘客促進協議会」を組織し地域一体で取り組んだ結果、初年度は6500人、3年目の14年は3万2千人を集客。今年は5万人を目標に据えるなどうなぎ上りだ。JAXAや旅行会社、天体望遠鏡メーカーとのコラボも予定するなど企画、営業両面で連携を図り「星の村」としてのブランド化を強力に進めている。

地元の「当たり前」の素材を磨き地域一体で徹底的に推進する好例だ。

信州長野 旅のおすすめサイト

購読申し込み
夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ