観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

五感で感じる上高地 連泊してこその"特権"アリ

国内外問わず歩いて泊まって知る魅力

上高地エリアには釜トンネルより手前にある2つの温泉旅館を含め20軒ほどの宿泊施設がある。本当の静寂や満点の星空、満月が照らす穂高連峰と河童橋のシルエット、明神の朝焼けなどは、上高地に宿泊した人だけが五感で感じることができる特権だ。

連休や夏休みの国内旅行、日本人にはうらやましい長い休暇をとって来日する外国人旅行には連泊こそが上高地スタイルだ。

河童橋周辺の宿を拠点に今日は焼岳の往復、明日は横尾までを往復、明後日は部屋でのんびりと、気ままに過ごす外国人旅行者が増えている。

連泊は外国人旅行者だけの特権でもない。大正池から徳沢まで歩いた今年のゴールデンウイーク。明神を過ぎたあたりで知り合った京都市から来た女性ハイカーは、河童橋周辺の宿に1泊し、早朝に穂高を目指す兄と姉と別れ、一人で徳沢の宿で1泊、翌日は下山してくる兄姉と合流し、再び河童橋周辺の宿に3人で1泊する。こんな滞在の仕方も上高地にはある。

上高地には宿泊客のターゲットを絞った宿が多い気がする。ウェストン地区にある上高地温泉ホテルは上高地で温泉を持つ数少ない旅館の1つだ。湯量豊富で建物前には足湯がある。内湯のほか温泉を引いた露天風呂もあり、日帰り入浴も人気だ。館内には上高地の写真を展示するギャラリーがある。

同じ地区に隣接する上高地ルミエスタホテルは、最近、大浴場や客室、テラスなどをリニューアルしたばかり。なかでも窓を大きくとった客室が人気となっている。

河童橋河畔のホテル白樺荘は、昨年、穂高連峰側の和室10ルームを畳ベッドの客室にリニューアルした。広縁の部分の段差をなくし、正方形の琉球畳を敷き詰め。畳の上にベッドを配置した。

河童橋から徒歩で約40分。「上高地の奥の上高地」の入り口にあたる明神に位置するのは朝焼けの宿明神館。穂高岳の頂点から始まり、徐々に下降する朝焼けを望むならここだ。

明神池も近い。6月には宿の前のコナシの白い花が満開となる。

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