山鹿灯籠・美の世界 大宮神社や民芸館で触れる
17/03/22
紙工芸品の極地に迫る
室町時代から伝わる山鹿灯籠は、和紙と糊だけで立体構造に組み上げる工芸品で、繊細かつ美しく、紙工芸品の極地と評価される。
金灯籠や城造り、神殿造り、座敷造りなど様々な様式がある。もとは山鹿市内にある大宮神社へ奉納するために作られ、伝えられてきた。奉納品以外にも置物や土産品、インテリアなどにも利用されている。
大宮神社の燈籠殿では灯籠まつりで奉納された灯籠を1年間保存しており、見学することができる。1年展示した後、希望者に払いさげられるため、燈籠殿では毎年新しい灯籠が展示される。
山鹿灯籠民芸館は、1925年(大正14年)に銀行として建てられたものを活用。山鹿灯籠の展示や保存を中心に山鹿温泉の歴史と文化を紹介している。建物は2002年に国の登録有形文化財の指定を受けた。
館内には八千代座や阿蘇神社、法隆寺五重塔、熊本城、金閣寺、平安神宮應天門など名高い建築物を模した山鹿灯籠が飾ってある。なかでも八千代座は、内部の天井画が細部にまで念入りに作りこまれていて見応えがある。ガイドの案内もあり、山鹿灯籠のすべてがわかる。
別館では灯籠師による灯籠の制作実演を見学できるほか、ミニ山鹿灯籠制作体験もできる。