隠棲地・九度山に息づく幸村の足跡/和歌山
ここから戦国最終決戦へ 大河機に盛り上げ
高野山麓、和歌山県九度山町は真田幸村が豊臣方の関ヶ原合戦敗北後、隠棲生活を送った地。「真田紐」を編みながら再起をうかがい、ここから戦国最終決戦へ飛び出していった。幸村を語る上で欠かせないこの地には今も幸村ゆかりのスポットが点在。昨年の高野山開創1200年に続き、今年も注目が集まる九度山が熱い。
県や県観光連盟、紀北各市町などはこの機運を生かそうと「大河ドラマ『真田丸』・戦国わかやま誘客キャンペーン推進協議会」を発足。3月13日に「九度山・真田ミュージアム」を開設し大河ドラマ展を開くほか、観光誘客イベントの開催、PRキャラクター「ゆきむらさま」の登場などで「真田丸イヤー」を盛り上げる。
ミュージアムを拠点に幸村の足跡をたどろう。高野山・蓮華定院は徳川家康から命じられ最初に蟄居した地。境内には真田家のシンボル「六文銭」が各所に見られるほか、幸村の書状や剣など寺宝も多い。
九度山町の善名称院は昌幸・幸村親子が九度山で再起を待った庵。真田庵とも呼ばれ、兄・信幸からの仕送りに頼りながら、生計をたてるため「真田紐」を編み、我慢の日々を過ごした。今も西の門の扉には真田家の家紋「結び雁金」のほか、いたるところに六文銭が残り、往時を偲ばせる。真田地主大権現や与謝蕪村が幸村について詠んだ句碑、大坂につながっているという伝説の抜け穴「真田古墳」も見どころ。毎年春の「真田まつり」では九度山が生んだ物語「真田十勇士」はじめ500人の武者行列のゴール地点として賑わうなど、今も地元から幸村は愛されている。
真田庵境内にある「真田宝物資料館」は真田家に関する資料を展示。武具や書状、真田紐などから謎の隠棲生活に迫る。
九度山の玄関口、南海高野線・九度山駅は11月、六文銭をあしらったのれんや幕で真田の郷ムードを演出。南海電鉄は高野線に真田の赤備えラッピング列車を走らせ、1月24日からは同駅から町内を巡回する「赤備えバス」も運行。幸村ゆかりの旅をより趣き深いものにしてくれる。
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