港や牛突き 歩いて触れる隠岐の風土
16/06/23
島の生活や伝統行事
隠岐の魅力は、圧倒的な自然景観だけではない。隠岐に流れるゆったりとした島時間を生み出す独特な風土・生活文化も旅人を癒す大きなピースになる。島を歩き、暮らしに根差した風景を眺めてこそ隠岐が心に染み入るはずだ。
島後を歩けば、その風土を感じさせる風景にそこかしこで出会う。西郷港周辺には、かつて日本海交易の貿易港として栄えた名残が町並みに残る。明治初期に掘られた手掘りのトンネルと昭和期の機械で掘られたトンネルが並ぶ「福浦トンネル」、杉皮葺きの屋根に浜辺の石が乗せられた船のガレージ「屋那の松原・舟小屋群」は島での昔のくらしを伝える。
伝統行事も特徴的。牛突きは鎌倉時代、隠岐に流された後鳥羽上皇を楽しませるため始まったもので日本最古とされる。隠岐モーモードームで毎月数回開催されるので、黒牛の激闘を間近で。散策途中で見かけるのんびりした闘牛の一変した姿に驚くだろう。
隠岐古典相撲は祝い事の際に催されるもので、各村の代表力士が村の威信を賭けて戦いを繰り広げる。隠岐の子どもたちは相撲に取り組むのが伝統で各地に土俵が点在。水若酢神社の土俵は格式が高い。
古社も隠岐の歴史を伝える、隠岐にある約150もの神社のなかでも島後の玉若酢命神社は本殿など3つが重要文化財という格式の高さを誇る。海士町の隠岐神社は後鳥羽上皇を祀り、隣には宮内庁管轄の上皇の御火葬塚も。神主の案内で正式参拝する夜間参拝を海士町観光協会が実施している。
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