阿蘇コラム 阿蘇へ行くこと―業界あげて復興支援を
16/10/07
立ち上がる地元の人の息吹
祖母が阿蘇・内牧温泉に住んでおり、阿蘇には幼いころから何度も訪れています。この地に来ると小学生だったころ、草千里で馬に乗ったり、阿蘇・中岳の火口を見たりしたことを思い出します。
なかでも阿蘇五岳を囲む外輪山の壮大さは、子どもながら強く感動したことを今でもはっきり覚えています。
その阿蘇が4月の熊本地震で山肌が大きく削られ、あちらこちらが引っかき傷をつけられたようになっています。五岳はお釈迦様が仰向けに寝ている姿に見えることから涅槃像と呼ばれますが、顔にあたる根子岳の鼻筋部分が崩れ、団子鼻になっていたのが印象的でした。長年の歴史のなかで涅槃像の景観も少しずつ変わっているのでしょうが、これまでのお顔から団子鼻のお顔に変わったお姿を見ることができたのは、考えようによっては貴重な体験ができたのかもしれません。
ある商店の経営者が次のようにおっしゃっていました。「涅槃像の鼻の崩れや倒壊した阿蘇神社が阿蘇で暮らす人たちを守ってくれたのではないか。そう思うと、こんなことで負けてはいられない。これを機にもっと多くの人に来ていただける魅力ある地域にしていこう」。
平成の大修理で真っ白になった姫路城を見ることができるのは、ここ数年と言われています。不謹慎な言い方になるかもしれませんが、熊本地震で復興に向けて動いている阿蘇を見るのは今です。震災から立ち上がろうとしている地元の人たちの息吹を感じることができるのも今です。
そういった姿を見に行くことが復興の支援になるんです。旅行業界あげて阿蘇へ行きましょう。
(九観連広島事務所 丸山信吾)