阿蘇山上、草千里への通行が再開 東登山道が開通、賑わい復活へ
5カ月ぶりに観光客で賑わう 復興への第一歩
熊本地震の影響で通行止めになっていた阿蘇登山道路。熊本地震の本震から5カ月を迎えた9月16日、同道のうち熊本県道阿蘇吉田線(東登山道)の約10キロの通行止めが解除され、阿蘇山上・草千里に観光客の姿が戻った。
安全確保のため一部区間は片側通行で、時間は7―19時に限定される。連続雨量が通行止め基準の140ミリに達した場合は通行止めになる可能性もある。
阿蘇山上へのアクセスには山上広場につながる県道阿蘇吉田線(東登山道)、同線(南登山道)、県道阿蘇公園下野線(北南登山道)、草千里浜栃木線(西登山道)の4ルートがある。
今回開通した東登山道以外は復旧の目処がたっていない。今回の東登山道の開通が阿蘇観光復旧の第1歩となり、開通の効果が期待される。
開通にあわせて阿蘇山ロープウェーの阿蘇山西駅では観光施設「阿蘇スーパーリング」が営業を再開。売店とレストランの営業も始まった。草千里ケ浜の「ニュー草千里」は断水のためレストランの営業はできないが、売店のみ営業を始めた。本格的な営業は10月に入ってからの予定。「草千里レストハウス」も再開した。阿蘇火山博物館は休館中で点検カ所や修復カ所が多く、2016年中の再開はむずかしい。
草千里駐車場にある2カ所の公衆トイレは使用可能だが、施設のトイレは使うことができない。
産交バスはJR阿蘇駅と阿蘇山ロープウェーの阿蘇山西駅を結ぶ路線バスを1日2往復させる。1便は阿蘇駅前10時5分発、阿蘇山西駅10時40分着、阿蘇山西駅11時30分発、阿蘇駅12時着。2便は阿蘇駅13時55分発、阿蘇山西駅14時30分着、阿蘇山西駅15時20分発、阿蘇駅前15時50分着。
阿蘇の観光関係者は「東登山道の開通は喜ばしいことですが、通行止めになっている道路もあるので、迂回路を経由するなどして阿蘇に入ってきてほしい」と、呼びかけている。
現在、JR豊肥本線の肥後大津―阿蘇間、南阿蘇鉄道の立野―中松間は運休中。大規模な斜面崩壊で通行不能となっている国道57号は、斜面崩壊カ所を回避し外輪山を通過するトンネルを計画。57号北側復旧ルート(約13キロ)として建設することが決まり57号線の復旧を含めて急ピッチで工事が進められている。
福岡方面からの迂回路は九州自動車道・熊本インターから国道57号からミルクロード、県道23号を経て、阿蘇神社、内牧温泉、阿蘇へ。湯布院方面からは、一部4トン以上の車両は通れないところはあるが、ミルクロードを通り入ることができる。熊本空港から南阿蘇方面にはグリーンロード南阿蘇(県道206号)が迂回路となっている。