旅行会社向け支援を拡充 高知県、貸切バス新運賃制度に対応
県への送客増促す
高知県は今年度下期、旅行企画に対して各種助成事業を実施している。昨年の貸切バス運賃・料金制度の見直しに伴うバス料金の高騰が県へのツアー数や入込客数に大きな影響を与えていることから、今年度は支援内容を拡充。滞在時間の拡大を狙い、これまでの宿泊助成金を人数ベースではなく宿泊数ベースに変更したほか、貸切バス運転士2人配置の際の追加料金実費を負担するなどして県への送客増を旅行会社に促している。
上期から導入した貸切バス交替運転士の実費負担は、募集型企画旅行団体、受注型企画旅行団体のいずれもバス運転手2人配置に限り、バス1台に付き1泊7万円、2泊10万円を限度額として助成。支援事業に伴う助成は1事業所当たり50万円が限度になっているが、バス運転士費用は金額に含まない。また、「貸切バス走行距離加算」も設け、バス乗車場所から県内の宿泊箇所までの距離を反映させることで、バス移動距離が長い高知県のデメリットをメリットに転換する施策も導入した。
県によると、上期事業は感触としては受注型はあまり落ちなかったものの、募集は減少傾向に歯止めがかからなかったという。2人配置の助成は運転士不足の問題から想定していたほどの効果がなかった。
そのことから、下期についてはバスの車庫からでも走行距離を加算できる制度に変更。これにより高知市内よりも足摺岬まで行くツアーの方が助成金額が多くもらえるようになった。シルバーウイーク明けから募集を始めたところ、阪急交通社やクラブツーリズムといった大手のほか、京都府や奈良県、山陰地方からも商品造成したいとの声が上がるなど、幸先のいいスタートだという。
基本の助成金額は、募集型は15人以上の県内宿泊の旅行企画を対象に、1泊が1人あたり500円、2泊目から同1千円など。受注型も同様の条件で1泊がバス1台あたり2万円、2泊目が同6万円などとなっている。
そのほか、宿毛フェリーの航送料支援や高知龍馬空港利用などについても例年同様に助成事業を設定している。
いずれも対象期間は来年2月29日まで(年末年始を除く)。詳しくは高知県観光コンベンション協会HPへ。