山陰海岸ジオパークをめぐる・但馬編　地球感じる"世界遺産"

自然の迫力と美しさ

北近畿の海岸線は山陰海岸ジオパークとして世界ジオパークに加盟認定されている。海食崖や奇岩など特異な風景の連続は地球のダイナミクスを感じさせる。地質の世界遺産・山陰海岸を走る―。

ジオパーク最東端、京丹後市経ヶ岬から丹後半島を西へ。但馬に入ると、まずは豊岡市の玄武洞。多角形の玄武岩の石柱が縦に横に斜めに並び、巨大な洞窟を形成している。地球の磁場が反転した時期もわかるといい、人智を超えた光景に驚く。

海岸線を走る但馬漁火ラインを西へ。切浜海水浴場先の「淀の洞門」は波の浸食でできた洞窟に流れ込む海水が轟音を立てる。海面から突き出た２本の礫岩の間に球状の礫岩が挟まる「はさかり岩」はもはや奇跡の域。

香美町に入ると、かえるの形をした巨岩「かえる島」が愛嬌たっぷりに出迎える。香住海岸の「鎧の袖」は迫力ではジオパーク随一。幅約２００メートル、高さ約70メートル、斜度70度におよぶ約５００万―３００万年前に形成された断崖だ。三姉妹船長で知られる香住海岸「遊覧船かすみ丸」で海上から眺めると迫力もひとしお。

但馬西端、新温泉町・浜坂海岸では但馬御火浦。海食崖など奇岩が続き、地層の断面や断層など地球の歴史が目の前に。「但馬海岸遊覧船」では浜坂海岸の洞門・洞穴を間近で眺められる。

最後に城山園地へ。高台から望む日本海に沈む夕陽と漁港のコントラストは旅の締めくくりにふさわしい美しさだ。

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