秋彩の但馬 天空の城・竹田城跡も別格の美しさ
神秘の光景と和の情緒
兵庫県但馬地方も紅葉スポットが豊富だ。なかでも全国的に人気を集める朝来市の竹田城跡は、この秋も多くの来城者を集めそう。天空の城と呼ばれる所以の雲海が見ごろを迎え、紅葉が城の周囲を染め上げる。
竹田城跡は室町―安土桃山期の城郭で、南北400メートル、東西100メートルにおよぶ石垣の遺構。ここまでの規模で現存する山城は珍しく、「よくぞ山頂にここまでの城を築いた」と感嘆する威容と眼下の風景が歴史と自然の神秘を伝える。
この地を全国区の人気に押し上げた雲海は、9―12月上旬の早朝が遭遇のチャンス。立ち込めた雲から城跡が顔を出す姿は幻想的だ。向かい合う立雲峡から眺められ、神秘の光景を収めようと多くの人が訪れる。秋本番を迎えると、周囲の木々が赤く色づき、雲海に浮かぶ紅葉の城跡は美しいというほかない。もちろん城に登って眼下の秋の風景を楽しむのもいい。
近年の人気急上昇で各地からツアー客が訪れるなど観光客が急増。これに伴い、史跡の保全や安全面の整備が進められてきた。入口は史跡北側の北千畳からで見学通路は一方通行。通路には土嚢が敷かれ、本丸・天守台は立ち入り禁止になるなど規制が敷かれているが、風景や雰囲気は以前と大きく変化はない。入城料は大人300円、団体250円。
アクセスは、JR竹田駅からは登山道(表米神社か南登山道)をたどるか、全但バス運行の「天空バス」(9月28日までは土日祝のみ)やタクシーで中腹駐車場まで。一般車両は休憩・立寄施設「山城の郷」までで天空バスやタクシーに乗り換えるか徒歩で登る。紅葉を眺めながらの登城も楽しい。
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但馬の東端にも秋だけの風景がある。豊岡市但東町の安國寺では、境内の樹齢150年のドウダンツツジが鮮やかな紅に。本堂から眺める光景は一面赤の世界でまぶしいほどで、絵画のなかにいるような錯覚にとらわれる。撮影はフラッシュなしで。夜はライトアップも行われる。
日本の滝百選のひとつ、香美町の猿尾滝も落差60メートルの名瀑と紅葉のコントラストが風情十分。養父市の養父神社は朱塗りの橋と紅葉の赤が鮮やかで、11月中旬には多彩なイベントで賑わう「やぶ紅葉まつり」も開かれる。
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