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島の暮らしに根付く隠岐文化 牛突きや古典相撲

歴史に培われた固有の風土

隠岐の風土・生活文化は特徴的だ。離島という地理的な条件だけではなく、古事記の国生み伝説に登場する長く深い歴史に、その要因を見出すことができる。

島後は伝統行事が多い。牛突きは鎌倉時代、隠岐に流された後鳥羽上皇を楽しませるため始まったもので日本最古とされる。島後を歩けばのんびりした闘牛を見かけるが、戦いになると一変。黒牛の激闘は島民の血をたぎらせる。年3回の本場所のほか、隠岐モーモードームでも毎月数回開催される。

牛突き

後鳥羽上皇ゆかりで
鎌倉時代から行われている牛突き

隠岐古典相撲は祝い事の際に催されるもので、各村の代表力士が村の威信を賭けて戦いを繰り広げる。隠岐の子どもたちは相撲に取り組むのが伝統で各地に土俵が点在。水若酢神社の土俵は格式が高く、隠岐古典相撲を描いた映画「渾身」の舞台になった。

島後の福浦トンネルは明治初期に掘られた手掘りのトンネル、昭和期に機械で掘られたトンネルが並ぶ。屋那の松原・舟小屋群は杉皮葺きの屋根に浜辺の石が乗せられた船のガレージ。漁業の島ならではの光景だ。

屋那の松原舟小屋群

杉皮葺きの屋根に浜辺の石を乗せた船のガレージ
「屋那の松原・舟小屋群」

隠岐の人々は信仰も厚い。隠岐内には約150もの神社があるが、なかでも、島後の玉若酢命神社は本殿など3つが重要文化財という格式の高さを誇る。海士町の隠岐神社は後鳥羽上皇を祀り、隣には宮内庁管轄の上皇の御火葬塚も。神主の案内で正式参拝する夜間参拝を海士町観光協会が実施している。

隠岐を訪れた者は、圧倒的な自然景観ばかりではなく、島民が祖先から脈々と受け継いできた暮らしぶりの中にも“異日常”を感じる理由があった。

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