世界が認めた隠岐のジオ(1) 国賀海岸・赤壁
隠岐世界ジオパークの中核は自然環境。2億5千万年前の大陸の一部であった時代から、火山活動で隆起し島根半島と陸続きだった時代を経て、現在の離島となった。その地球史的なダイナミクスを感じられる光景が今も目の前に広がる。各島の海岸線には隠岐を代表する景観が連続。世界が認めた「圧倒的」な景観を見るだけでも隠岐を訪ねる価値はある。
国賀海岸 絶景の連続に驚嘆
島前の西ノ島西端、国賀海岸一帯は自然の雄大さを感じられる隠岐随一の景勝地だ。
摩天崖(まてんがい)は海抜257メートルもの海蝕崖で、そのスケールは日本有数。海食作用でできた崖は、黒灰色と黒褐色の地層が火山活動でつくられたことを教えてくれる。摩天崖の対岸に位置する赤尾展望所からは国賀海岸の風景を一望。崖や奇岩が海と織り成す風景は、まさに大地の造形美。なかでも海にせり出した岩石が海食作用でくり抜かれた奇岩「通天橋」は必見。一帯は草原が広がり、荒々しい海岸と対照的に牛や馬がのんびりと草を食むさまがここならではの景観だ。
明暗の岩屋は、国賀海岸の美しさを伝える長さ約250メートルの海上洞窟。コバルトブルーの透き通った海へは浦郷、別府両港から出る定期観光船(浦郷便は大人2250円、別府便は同3300円)で行ける。
赤壁 まさに“自然の脅威”
知夫里島には、三国志の合戦場と同じ「レッドクリフ」を意味する赤壁(せきへき)がある。
牛馬が放牧されている牧草地を抜け歩いて丘を登っていくと、巨大な崖が現れる。赤みを帯びた岩肌はまるで怒気を含んだような表情を見せ、島ののんびりとした雰囲気と対照的。溶岩に含まれる鉄分から赤い色になったという。島の西岸にあるので、夕暮れ時はさらに赤色を帯びる。来居港から予約制のクルージングがお勧め(4―6人で1万2千円、1人増ごとに2千円)。
島の北には展望地・赤ハゲ山も。天気の良い日は島根半島や大山まで見渡せる360度大パノラマが広がる。
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