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三徳山が国立公園に編入 地形、歴史文化などを評価

環境省は3月19日、三徳山地域の大山隠岐国立公園への編入を決め、官報で告示した。編入の決め手となったのは地形、歴史文化、希少性で、これまで鳥取県や三朝町などの関係者が一体となって推進してきた国立公園編入が実現し、関係者は喜びの声を上げている。

三朝観光にさらなる広がり

編入の要因は、地形と歴史文化における共通性、希少性の高さ。投入堂(国宝)をはじめとする三佛寺境内を含む約300ヘクタールが編入エリア。

大山や蒜山などと同じ火山による地形の三徳山地域は、修験道や山岳仏教の聖地として知られる。歴史や文化面でも大山などとつながりが深いことなどが評価された。

またカシやシイなどの照葉樹林からブナ、ミズナラに代表される冷温帯の落葉樹林が自然林として残っているのが特徴的だという。人工林や田畑などで寸断されずに分布している希少性は、中国地方で三徳山を含めて2カ所しか見られない。

三徳山

冷温帯の落葉樹の自然林が残る
三徳山

鳥取県の平井伸治知事は「修験道の聖域として守られてきた三徳山の貴重な地形や植生が評価され、国立公園に昇格できたことは大きな一歩だ。世界遺産に向けた研究やエコツーリズムなどに弾みがつけば」とエールを送っている。

さらに国立公園の編入が正式決定した3月19日、三朝町では町役場で記念セレモニーを開催。鳥取県の林昭男副知事は「今回の編入で三徳山は名勝、史跡、国立公園の三拍子がそろった立派な財産を得た」とし、これを機にさらなる観光振興に結びつけることができるようにと要望した。

三朝町の吉田秀光町長は「一つのハードルを越えた。三徳山の歴史を解明しながら活用していきたい」と語っている。

三徳山の特質は山岳信仰から形成された独自の文化を示す国宝の投入堂と、そこに祀られた蔵王権現立像(いずれも平安後期の造立、国重文)に象徴されるといわれる。このほか国指定重要文化財として室町時代末期に建造された地蔵堂、安土桃山時代建造の文殊堂のほか、県指定保護文化財の鐘楼堂、三佛寺本堂などがある。三佛寺宝物殿には多くの寺宝が収蔵され、入山者は常時拝観できる。

投入堂

山岳信仰から形成された独自の文化を示す
国宝・投入堂

拝観時間は8―17時。登山事務所から投入堂までの所要時間は往復1時間半から2時間。入山料は大人400円、小中学生200円、20人以上の団体50円引き。投入堂参拝は別途大人200円、小中学生100円が必要。

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