観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

朝ドラ登場の個性派は三朝橋設計者がモデルだった

灯籠にハートマークの独創性

三朝温泉のシンボルである三朝橋(登録有形文化財)は、橋のたもとから旅館「万翆楼」と一緒に眺めることができるようセットで設計され、三朝温泉を代表する風景となっている。

三朝橋は橋長69メートル、幅員5.5メートルで鉄筋コンクリート造り。1934年に完成し、青御影石を使った欄干、擬宝珠や灯籠を備えた和風の木橋をイメージした外観は建築当時のまま。灯籠の上部にはハートマークが施されているが意外と知られていない。和風の灯籠に、しかも昭和初期の橋にハートマークがあるのは珍しい。

三朝橋

1934年に万翆楼とセットで完成した三朝橋

なぜハートのマークが施されているのか理由はわからない。しかし、近年、知る人ぞ知る存在になっており、パワースポットとして隠れた名所になりつつあるようだ。

三朝橋

三朝橋の灯籠上部にはハートマークが。
パワースポットとして隠れた名所になりつつある

三朝橋と万翆楼を設計したのは京都帝国大学(現在の京都大学)で建築学科を創設し、日本の近代建築史に大きな足跡を残した建築家の武田五一氏。武田氏はNHKの朝の連続ドラマ「ごちそうさん」で、俳優のムロツヨシさんが演じる建築家・竹元勇三のモデルになった人物だ。

「ごちそうさん」のホームページでは、竹元勇三をドラマに登場させたのは大阪のまちづくりに多大な影響を与えた武田五一氏への敬意からだと紹介している。

万翆楼は93年に改築されたため現存しないが、元の建物に近い形で建て替えられている。武田氏が設計した茶室は、大浴場の湯上り処として使われ現存している。

昭和初期に鉄筋コンクリート造りの橋にハートマークが入った灯籠。アールヌーボーを初めて日本に紹介した武田氏だからこその設計。まだ車の往来もほとんどなかった昭和初期に頑丈な鉄筋コンクリート造りの橋を作り、現在も使われ続けているという武田氏の先見性に驚く。

大阪と関係の深い武田氏設計の三朝橋と万翆楼。歴史的背景を知って三朝温泉を訪れたい。

鳥取三朝温泉 旅のおすすめサイト

購読申し込み
夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ