ここだけの食に舌鼓(1) 香美・豊岡
但馬秋冬の食の総大将・松葉ガニの“出陣”は11月6日。一気に興奮度数も高まるが、冷静に地域を眺めれば「カニだけでいいのか」と自問自答するはず。それほどまでに但馬の食は充実しているのだ。限界まで“ここだけの食”の喜びに包まれよう。
目覚ましい充実ぶり 香美町
近年、食の充実ぶりが目覚ましい同町。全国ブランドの但馬牛から新名物、スイーツまで幅広く揃い、地産地消というこだわりが光る。
但馬牛は但馬全域の名産。同町は特に生産者が多く、あっさりとした脂身と上質な赤身の味わいの肉を提供している。ステーキやすき焼きなどで存分にどうぞ。道の駅村岡ファームガーデンのレストランではハンバーガーやホルモンも美味。団体客や個人客で賑わう人気の施設だ。
3月には新名物「但馬牛寿司」が誕生。但馬牛と町内産米を使って町内の食事処12軒が独自の味を競っている。肉と酢飯がうまく絡み、さっぱりした美味しさを引き出している。お土産にも。
スイーツも個性的。竹炭を練り込んだ真っ黒の生地と甘さ控えめの白いクリームが絶妙の「香炭ロール」や、地元特産の美方大納言小豆のきんつば、産地ならではの「梨シャーベット」など、お腹いっぱいでも “別バラ”だろう。
そば街道へドライブ 豊岡市
城崎温泉への道中、市内を東西に貫く国道482号線沿いには「そば」の看板が多い。そう、ここは「但馬豊岡そば街道」。エリアごとの個性あるそばが手招きする。秋は新そばの季節。豊かな風味を堪能したい。
出石町「出石皿そば」は立ち寄り昼食の定番。出石焼の小皿に盛られたそばはほどよいコシを持ち、城下町の風情漂うこの町に合う。皿を積み上げて手形をもらう―というのはステータス。
竹野町「床瀬そば」は通好みの逸品。地元産のそばの実、水、自然薯が独特のツヤとコシを生み出す。但東町には「赤花そば」。つなぎなしの十割そばは、抜群のコシとそば本来の旨味が味わえる。ここまで来たら、新鮮な卵かけごはんも食べて帰ろう。日高エリアにも名店が点在。