1千年も前から続く野焼き
12/02/13
”世界規模”の阿蘇を知る
阿蘇の自然は人の手によってつくられているということをご存知だろうか。
日本の草原の約4割を占めるといわれる阿蘇の大草原は放牧のため、森にならないよう1千年も前から野焼きを行ってきた。早春に野焼きで真っ黒になった阿蘇は、初夏には新芽が芽吹き、壮大な緑のじゅうたんとして広がる。阿蘇=緑というイメージを誰もが持つと思うが、これは人が自然と共生するためにつくりあげたものだったのだ。
また我々は日ごろ、何気なく「阿蘇山」と言っているが、本来、阿蘇山というものは存在せず根子岳・高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳を「阿蘇五岳」と呼ぶ。
阿蘇は世界最大級のカルデラと周囲128キロに及ぶ雄大な外輪山を持ち、中岳にいたっては世界で唯一火口を見ることができる貴重なものだ。さらにカルデラの内側に6万人もの人々がまちをつくり農耕を行い、鉄道や国道が走っているところは、世界でも類をみない。
これまで本紙で4度、阿蘇の特集を行ってきたものの「阿蘇五岳」そのものについて触れてこなかった。それは世界規模の阿蘇について旅行会社の方々は知っておられると思ったからである。
しかし阿蘇五岳は阿蘇に住む人たちの生活の一部であることをご存知なかったり、「阿蘇山がある」と思っておられる旅行会社の方々が結構おられることを知った。
そこで今回の「阿蘇特集」では阿蘇の基本情報を旅行会社の方々にお伝えするので、ぜひお客様への案内や観光資料として活用していただきたい。
(九観連大阪事務所 長富彩)