九州各地を最短で結ぶ「阿蘇くまもと空港」 日本一美しい空港へ
来年10月リニューアルオープン
阿蘇くまもと空港(熊本空港)は地理的にも九州の中心に位置し、九州内主要都市や観光地を最短距離で結ぶ。
空港から各地の所要時間は、阿蘇45分、人吉1時間、天草1時間30分、大分2時間、延岡2時間、宮崎2時間、鹿児島2時間、長崎2時間30分、佐賀1時間20分、福岡1時間30分、北九州2時間、と2時間圏内で移動できる立地のよさが魅力だ。
阿蘇山の近くという立地から霧が発生しやすく、着陸が難しいことからパイロット泣かせの空港だったが、1995年に計器着陸システム「カテゴリーⅢ」が運用されてから、そういった問題も解決。今では270万人を超える利用客がある。
71年に熊本の空の玄関口としてオープンし74年、99年に増築。現在2012年10月の国内線ターミナルビル・リニューアルオープンに向けて着々と改修が進められている。
新しいターミナルビルは熊本城の城郭をイメージさせる直線的な屋根にし、天守閣を囲む櫓や門をイメージ。環境にも考慮し太陽光発電システムやLEDの導入など、節電・エコを意識している。
バリアフリー対策としても、下りエスカレーター2基を新設するほか、エレベーター2基の増設、トイレ・洗面所の一部改修を行う。航空会社カウンター前も道路側に3メートル増築し旅客通行スペースを確保する。国内線出発ロビーは熊本のスギ、ヒノキを使った木の香りのするターミナルビルに。
また年に2回、11月と1月に夕陽に向かって離陸する飛行機を見ることができるとあって、この時期には写真を撮る人が数多く訪れるそう。今後は「日本一夕陽のきれいな空港」としてアピールしていくという。
このほか、道路と滑走路が至近距離にあるため間近で飛行機を見ることができるのが阿蘇くまもと空港の特徴で、雨の日は水煙とともに離着陸する飛行機を見に来る人も少なくない。滑走路脇には桜が植わっており花見のシーズンには花見見物客で賑わう。それをさらに盛り上げるように今年、滑走路脇500メートルにわたって芝桜を植樹するなど「空港を利用しない人でも楽しめる空港」「滑走路からもっとも近くで飛行機をみることのできる空港」づくりに取り組む。
熊本県の樺島郁夫知事も益城、大津、菊陽、西原の4町村を含めた地域全体を一つの空港と位置づけ「日本一広く美しい空港」を目指す「大空港構想」を明らかにしている。空港アクセスの利便性を高め、航空機利用者の増加を図るため、熊本空港への玄関口として現在改修中のJR肥後大津駅と空港を結ぶシャトルバスの運行も計画。県としても空港アクセス改善に注力する考えだ。