今も残る直虎・井伊家の息吹 浜松・井の国エリアに史跡点在(1)
17/01/10
龍潭寺や居城跡 ここで直虎は生きた
古くから浜松市北区引佐町井伊谷(いいのや)は井の国と言われ、千年の歴史を持つ井伊家の本拠地だった。
井伊直虎が過ごしたとされる、井伊家歴代の菩提寺「龍潭寺」。小堀遠州作と言われる国指定名勝の庭園や左甚五郎の龍の彫刻など文化財を見ることができる。
直虎はこの寺で出家し修業を積み、井伊谷城主を退いたのち、波乱の生涯を終えたところでもある。境内には井伊家当主や家臣団、歴代住職の墓があり、初代共保公より24代直政公までの墓地が境内にあり、直虎と直親(直虎の元許婚)は隣り合って祀られている。本堂の廊下は鶯張りで、歩くとキュッキュッと独特の音が鳴る。
同寺には次郎法師龍潭寺寄進状(直虎黒印状)が残っている。これは1565年に次郎法師が虎松(後の井伊直政)を守るために「井伊直虎」を名乗ったとされ、寄進状を書いた直後に直虎と名乗るようになったと考えられている。
井伊家伝記は同寺9代の住職・祖山和尚が残した歴史書だが「次郎法師は女ではあるが、井伊家を継ぐ家に生まれたので、跡継ぎの名と僧侶の名を兼ねて、次郎法師という」といった意味の記述がある。
「井伊共保(いいともやす)出生の井戸」は、井伊家初代の共保がこの井戸から誕生したと伝わる。井伊家の井桁と橘の家紋の由来となった井戸でもある。
「井伊谷宮(いいのやぐう)」は南北時代に南朝方として井伊氏とともに奮闘した宗良親王(後醍醐天皇の皇子)を祀る神社。
井伊谷を見下ろす小高い山の上にあるのが井伊家の居城跡「井伊谷城跡」で、現在は公園として整備され、浜名湖を一望することができる。直虎はこの城の城主だった。直虎も同じような景色を見たことを思うと感慨深いものがある。
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