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千年のかくれんぼ にし阿波観光圏、「日本の原風景」を観光ブランド化

集落、温泉、自然―あるがままを見る

霊峰・剣山と吉野川が独特の自然景観を形成する徳島県西部、にし阿波~吉野川・剣山観光圏。圏域の三好市と東みよし町、美馬市、つるぎ町では、自然と共生してきた悠久の歴史が独特の文化、伝承、風景を育み、今も受け継がれている。そんな地域の個性を「千年のかくれんぼ―分け入るごとに、時は遡り」というブランドコンセプトに込め、体験コンテンツや周遊企画商品を打ち出し、地域そのものを体感してもらう取り組みを進めている。「日本の原風景」がここにはある―。

ひの字渓谷

蛇行する祖谷川が形作る、その名も「ひの字渓谷」。
祖谷渓の雄大な自然環境を物語る景観だ

標高500―800メートルの山の急斜面に張り付くように広がる落合集落は、昔ながらの家屋が点在し、伝統的な農業が今も行われている。国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されており、まさに「日本の原風景」といえる風景に、人は旅の魅力を実感、魅了される。

大歩危・祖谷温泉郷。個性豊かな旅館ホテルが立ち並ぶ、県を代表する宿泊拠点だ。深い谷と山々に取り囲まれた地にあり、風情はまさに秘境。地域おこしにも積極的で自然と山の幸、温泉を生かして魅力ある観光素材を開発。今年のジャパン・ツーリズム・アワードでも賞を得た。近年は外国人観光客の姿も増えてきた。吉野川から発生する霧による雲海も朝の楽しみだ。

秘境・大歩危小歩危は舟下り、ラフティングの名所。ここからさらに進んだ奥祖谷には平家の落人伝説が色濃く残る。奥祖谷二重かずら橋や武家屋敷などの平家伝承の舞台はこの地の歴史を伝える貴重なものだ。この地は数多くの妖怪伝承でも知られ「山城・大歩危妖怪村」として名を馳せる。こなき爺など妖怪たちの伝説を追ってのウオーキングも楽しい。

奥祖谷二重かずら橋

奥祖谷に行けば二重かずら橋は必見。
平家一族が架けたと伝わる

名頃地区の「かかしの里」も必見。まるで生きたようなかかしが旅人を和ませる。

つるぎ町に行けば、全国有数の「巨樹の里」。一宇地区へ豊かな自然の象徴でもある巨樹を訪ね、自然の素晴らしさに触れるのもいい。

同観光圏ではこれらの素材を生かし、これまでも落合集落や奥祖谷でのガイドツアー、大歩危祖谷温泉郷での雲海ツアーなど企画商品を設定してきた。三好市観光協会では毎年フォトコンテストを実施、「千年のかくれんぼ」の素材を印象的な写真と文章で紹介したコンセプトブックを発行するなど魅力を発信している。まちづくり観光の好例として各地の注目を集めている。

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