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鳥取・海星砂の競演(2) 全国屈指の美しい星-鳥取県が「星取県」に

星の美 天の川も美しく

鳥取県の観光ブランディングが面白い。全国で唯一スターバックスコーヒーがなかったことを逆手にとって始めた「すなば珈琲」が人気を集め、冬には全国トップのズワイガニの水揚げ量を誇ることから「蟹取県」を名乗る。これに続いて5月に始めたのが「星取県」だ。豊かな自然に加え全国最小の人口のため灯りが少ないという“自虐”を魅力と捉えなおし、星空の美しさをアピール。鳥取ならではの観光資源として全国へ発信していく。

「星取県」を名乗る根拠は、環境省が1988年度から2012年度に実施した、星の見えやすさを示す「全国星空継続観察」で何度も日本一を獲得した実績から。さらに同省の「カメラ撮影」に適した地の調査でも全国1位を含むトップクラスになったり、作家・井上靖が戦時中の疎開時に見た星の輝きを「天体の植民地」と称するなど、鳥取県で見る星の美しさを示す事柄は数多い。

これに鳥取商工会議所青年部が目を付け、地域活性化策としてアピールしていくことを決定。これに県が呼応し、全県レベルでの観光プロジェクトとして展開することになった。

星取県

鳥取県が打ち出した「星取県」ポスター

6―8月は鳥取県内での星空の写真を募集するフォトコンテストを開催。103センチの反射望遠鏡プラネタリウムをもつ天文台「鳥取市さじアストロパーク」や、三朝温泉の宿泊者限定企画「スターウォッチング」など星にまつわる体験もPRしている。

「世界に誇れる星取県ブランド化推進事業」として17年度予算も計上。5月30日にはタレントの篠原ともえさんを「スター大使」に任命したほか、旅行会社向けにモニターツアーの実施や商品造成の助成なども盛り込んでいる。

県によると、県内各市町村から天の川が見えるほか、流れ星も見やすいという。約7割の日本人は人工光の影響で天の川を見られないという調査結果もあり、これからの季節は星取県の実力がいかんなく発揮されそうだ。

一方、星取県の先輩、「蟹取県」は、ズワイガニの産地として冬にPR。県内の対象施設に宿泊すると県産のカニが当たる「ウェルカニキャンペーン」などを展開してきた。都道府県レベルではカニの水揚げ量が断トツトップ、鳥取市が購入量全国1位となるなど、とにかく鳥取県は「カニのまち」。今年も11月6日のズワイガニ漁解禁を迎えると大いに賑わいそうだ。

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