温泉郷の誕生から今、そしてこの先10年 鳥羽市温泉振興会発足10周年記念座談会(3)
「温泉ソムリエで価値化」迫間さん 「地域の稼働率を上げる」奥野さん
―次の10年を考えると若手メンバーの存在を抜きにして語れないと思います。その中で温泉ソムリエを置くというのはいいですね。
迫間 我々の世代は温泉があって当たり前の時代を生きています。旅館と温泉はセットだと思っているといってもいいぐらいです。けれども温泉の知識はないので、いろんなことをお伝えすれば喜ばれると思います。
寺田 温泉ソムリエという存在感がどれだけ一般客に浸透しているのかわかりませんが、温泉ソムリエがいること自体が価値をあげるようであってほしい。温泉ソムリエがいる温泉旅館として、鳥羽温泉郷の値打ちが上がるぐらいまでになればいいでしょうね。
小見山 温泉ソムリエも価値を上げるひとつになるのでしょうが、鳥羽はリピーター客が多いので、各旅館がそれぞれ「こだわり」を持った“逸品”を持ち、リピーターが循環するような温泉地になれないかと思います。
奥野 リゾート地というのは、繰り返し訪れていただけるリピーターがないと成り立たないものです。伊勢神宮へのリピーターも多い。リピーターが多いことこそ地域の稼働率です。リピーターをどう作っていくか。これも次の10年に向けての課題です。
迫間 海女さんや御木本幸吉に代表される真珠といったように、わかりやすいことが鳥羽には必要です。鳥羽にはいろんなものがありすぎて、わかりにくくなっています。わかりやすく理解されるものを全面に出していくことが大切ではないでしょうか。
寺田 鳥羽にとっては料理もメインのひとつなので「旨し国・鳥羽」もわかりやすい。
吉川 海女というキーワードが出ましたが、自然の中で生業としているのは海女だけといってもいいと思いますし、世界にないものです。
生業にできるほど豊かな海があることは世界に誇れることで、様々なストーリーがあります。そういった文化と温泉を融合させることが鳥羽の「こだわり」で、次世代に引き継いでいかなければならない責務です。
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座談会参加の皆さん
- 吉川 勝也さん(鳥羽市温泉振興会会長 サン浦島社長)
- 寺田 順三郎さん(鳥羽市温泉振興会副会長 戸田家社長)
- 世古 晃文さん(鳥羽市観光協会専務理事)
- 小見山 健司さん(鳥羽市観光協会特別顧問)
- 世古 素大さん(鳥羽市温泉振興会副会長 伝洋若旦那)
- 迫間 優子さん(鳥羽市温泉振興会理事 鳥羽ビューホテル花真珠若女将)
- 奥野 和宏さん(鳥羽市温泉振興会事務局長)
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