志国高知幕末維新博が開幕 高知の「本物」前面に
維新節目で歴史観光推進 19年3月までのロングラン
坂本龍馬、ジョン万次郎、岩崎彌太郎など多くの幕末の偉人がこの地から羽ばたいた―。幕末の主要舞台、高知県が展開する歴史博覧会「志国高知 幕末維新博」が3月4日に開幕した。歴史を軸に自然や食など観光素材を絡め、地域の魅力を発信。全県を挙げたおもてなしで土佐・高知ならではの歴史紀行に誘う。
会期は3月4日―2018年3月末を「第一幕」、18年4月―19年3月末を「第二幕」とした約2年間。昨年の薩長同盟から大政奉還の17年、明治維新の18年へと150年の節目が続く幕末メモリアルイヤーを盛り上げようと企画した。
県や各市町村、観光関係団体などで推進協議会を組織し、官民協働で県内全域で取り組みを推進。サブタイトルを「時代は土佐の山間より」とし、歴史資源を磨き上げ、これを中心に自然や食など高知の本物を周遊できるコースを整備。国内外から幅広く観光誘客を図り、大河ドラマ「龍馬伝」放映で記録した10年の435万人並みの観光入込を継続的に実現したい考えだ。
メーン会場は、3月4日に開館した高知市の県立高知城歴史博物館と18年春にリニューアルオープンする県立坂本龍馬記念館という新たな高知歴史観光の拠点施設。サブ会場の高知駅前のこうち旅広場は県内周遊を促す情報発信拠点としての役割を担う。県全域を安芸・室戸、物部川、高知市、嶺北、仁淀川、奥四万十、四万十・足摺の7エリアに分け、安芸・室戸は北川村の中岡慎太郎館、高知市は高知城など県内20カ所の地域会場を設定し、地域ゆかりの人物や食のイベントを行うなど集客の中核として活用する。
期間中は多くのイベントを開催。サブ会場では歴史と食のイベント、地域会場では特別展などを催すほか各地の既存のイベントとも連携を図る。
開催初日の3月4日は高知城追手門北の広場で地元出身の女優・広末涼子さんや俳優・高橋英樹さんらが出席してオープニングセレモニーが開かれ、幕末と現代をつなぐ新しい土佐・高知観光物語が幕を開けた。