日本近代化の礎を訪ねて 世界遺産「集成館」
16/03/18
日本発の西洋式工場群
昨年7月、世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のうち3カ所が鹿児島市にある。幕末の薩摩藩主・島津斉彬の一大事業、反射炉建設が生んだ「集成館」は日本初の西洋式工場群として日本の近代化に大きく貢献した。旧集成館は現在は観光スポットとして、その偉業と足跡を伝えている。
「旧集成館」では3つの見どころがある。反射炉跡は1857年に建設された「日本の近代工場発祥地」。今は煙突はないが、薩摩在来の石組み技術で造られた2号炉の下部構造が残る。
旧集成館機械工場は現在日本に残る近代工場としては最古。鹿児島で利用されていた溶結凝灰岩を利用し「ストーンホーム」と呼ばれる洋風建築で、洋式機械による金属加工や艦船・蒸気機関の修理などが行われていた。現在は島津家の歴史・文化と集成館事業を語り継ぐ博物館「尚古集成館」として多くの観光客が訪れている。
旧鹿児島紡績所技師館(異人館)は日本初の洋式紡績工場である鹿児島紡績所で技術指導にあたった英国人技師の宿舎として建築。日本で最も初期の洋風2階建住居とされる。
「寺山炭窯跡」は、集成館で使用する燃料を製造するため、炭窯を3基建造。1基は今も残り、苔むした石積みが往時からの歴史を物語る。
「関吉の疎水溝」は、集成館で必要な水力を得るために築かれた水路の取水口跡。約7キロ続いていた。今も往時の跡が見てとれる箇所が残る。
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