文化観光立市・堺の可能性-竹山市長と久保田JTB常務が対談(1)
15/02/03
魅力発信し来訪価値も高める―竹山市長 朝の取り組みがカギ―久保田常務
―堺観光の現状を教えてください。
竹山 いま堺市の観光客数は820万人です。そのうち宿泊客が38万人で、外国人宿泊客は6万3千人。宿泊客数が少ないのがウイークポイントです。
久保田 宿泊地を目指して努力している地域は多くありますが、成功するための共通点は朝ごはん、朝市、朝のイベントなど朝の取り組みです。堺は交通の便が良く深夜でも電車が動いていますから、朝に何かがあることで宿泊してもらうよう仕掛けるべきです。
竹山 堺旧港の大浜で朝市を開くなど考えていかないといけませんね。
久保田 宿泊観光は地域経済の効果が大きく、日帰りと宿泊で7倍ぐらい差があります。例えばこれまでの2倍努力をすると、7倍の波及効果が生じるのです。
―倍の努力をどこに注ぎましょうか。
竹山 やはり、堺の魅力の発信ですね。堺はいいものをたくさん持っていますが、発信がうまくない。仁徳天皇陵古墳をはじめとする百舌鳥古墳群が世界文化遺産登録を目指し、今年3月には千利休、与謝野晶子さんを顕彰する「さかい利晶の杜」がオープンします。これらを発信のチャンスにしたい。
久保田 仁徳天皇陵古墳は知られていますが、どんな魅力があって歴史的な背景はどうなのか、といった情報は少ない。
竹山 2年ほど前に首都圏の大学で学生に講義をしたのですが、仁徳天皇陵はほとんどが知っていました。しかし堺市にあることを知っていたのは1割。奈良や京都だと思っていたそうです。
久保田 千利休にしても家元は京都ですし、京都の人だと思っているかもしれません。堺市内に千利休の屋敷跡はありますが、目に見えて分かるものは少ない。見聞の量が少ないとどうしても印象は薄くなります。
→文化観光立市・堺の可能性-竹山市長と久保田JTB常務が対談(2)に続く
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