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脚光浴びる津山城 心ひかれる「物語」多く

ストーリー性求め 恋愛成就にハート型の石

津山市のシンボルである津山城は初代藩主・森忠政が1604年(慶長99年)に築城に着手し、13年後の16年(元和2年)に完成。明治維新後の廃城令で天守は撤去されたが石垣は残り、当時の面影を偲ばせる。2005年には御殿様式の内装を持つ備中櫓が復元されている。

津山城

2005年に復元された備中櫓>

現在は鶴山公園として桜の名所として知られ、4月上旬から中旬にかけて園内は数千本の桜が花開き圧巻の光景。多くの人で賑わう。

その津山城がこの2、3年、城好きのファンや歴史好きの歴女から注目を集めている。初代藩主の森忠政は、織田信長とともに命を落とした森蘭丸の弟にあたり、蘭丸の弟ならば男前であったであろう、その弟が建てた城を見てみたいという歴女、全国屈指の石垣を一目見ようという城ファンが訪れている。

天守や櫓が残っていれば姫路城に匹敵する城だったと評価する向きもあるほど隠れた名城だ。

また森忠政の家臣として仕えた名古屋山三郎は武芸にも優れたイケメンとされ、歌舞伎の祖といわれる出雲の阿国と恋仲だったという話が伝わっている。山三郎は同じ森忠政の家臣である井戸宇右衛門と津山城築城の際に揉め、ともに死んでしまうが、2人を弔うために植えた松は今も残っている。一方の松が栄えると一方の松が衰えることから「にらみ合いの松」と呼ばれている。

さらに短編映画「ホルモン女」に登場したことから話題になって人気を集めているのが城内の石垣にあるハート型の石。縦約90センチ、横約1メートルで、本丸天守を支えた石垣上の一角にある。

映画の中でヒロインが「国体のおもてなし料理にホルモンうどんが決まりますように」との願いを込めて石に触れるシーンがあり、映画公開後ハート型の石を訪ねる若いカップルが増えたという。

津山市観光協会では「恋が成就する愛の奇石」としてアピールしている。

津山城

石垣にあるハート型の石

こういった明るい話題が尽きない津山城は、天空の城で知られるようになった竹田城や備中松山城などと合わせてツアーを造成する旅行会社も出てきた。

森蘭丸の弟が初代藩主、出雲の阿国の恋人、全国屈指の石垣、恋が成就するハート型の石など、心ひかれる「物語」が豊富なだけに津山城の魅力を伝えれば、これまで以上の観光客が期待できそうだ。

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