イナカのごちそう 春来峠・てっぺん
11/12/21
「日本のイナカ、バンザイ」 そばと地元産野菜を食べる
香美町村岡区と湯村温泉を結ぶ新温泉町・春来峠。かつては国道として多くの人が越えた"難所"だったが、1975年に春来トンネルが開通すると旧道となり、村人ぐらいしか通らなくなった。
そんな村に活気をと村人が運営を始めたのがそば処「てっぺん」。閑散とした村の素朴なそば屋に、平日の昼間というのに、ひっきりなしに車が入ってくる。鳥取ナンバーも見える。常連かもしれない。
そばは地元産そばを使って打った本格的なもの。ざるでズズッといくと歯ごたえにはコシがあり、豊かなそばの風味が口の中に広がった。セットメニューに付く天ぷらは地元産野菜や山菜を使ったもので、ヘルシーそのもの。女性にはもってこいだ。大半の人がセットを頼んでいた。
地元の人が地元の「ごちそう」を飾り気なしに提供する。その魅力が受け入れられているということは、満席の店内からもうかがいしれる。やはり、地域が持つ魅力は裸でも伝わるものなのだ。
古民家風の建物から外を眺めると懐かしい山里の風景が。自分の今いる場所と味わっているもの、そして風情が調和する。なぜか思った。「日本のイナカ、バンザイ」。
営業は10―16時。水曜休。
(長池貴志)