「なでしこになる」 城崎・湯村、そぞろ歩きと湯の力
但馬「女子旅」の拠点は温泉地。但馬には豊岡市・城崎温泉と新温泉町・湯村温泉という言わずと知れた二大温泉地がある。いずれも1千年を超える歴史を有する名湯で、ぶらりと温泉街を散策すれば、その風情がヤマトナデシコの「女子力」を高めてくれる。
浴衣でぶらり城崎温泉 スイーツめぐりも
城崎温泉は名作「城の崎にて」を書いた志賀直哉をはじめ多くの文人にも愛された歴史があり、その温泉情緒は折り紙つき。大谿川沿いの柳並木が緑に揺れ、木造旅館や懐かしの遊技場など温泉街一帯で醸し出す風情は季節不問の魅力だ。
城崎散策はもちろん浴衣で。各旅館ホテルでは色とりどりの浴衣をレンタルしており、お気に入りの浴衣に身を包み、温泉街に繰り出そう。着こなしに自信のない場合は、約30軒が看板を掲げる「ゆかたご意見番」施設へ駆け込もう。着付けのポイントがわかるリーフレットがもらえるほか、手直しもしてくれる。「城崎=浴衣」はもはや正装といえるのだ。
浴衣に着替えれば、まずは下駄ばきでゆるりと「外湯めぐり」へ。「一の湯」「まんだら湯」「御所の湯」など城崎が誇る個性ある7つの外湯を楽しんで、身も心もあたたかく、キレイになろう。
湯上がりともなれば、ちょっとスイーツでも食べたくなるもの。温泉街にはジェラートやアイス、和スイーツ、プリンなどを提供する店舗が軒を連ねる。多彩なメニューに食べ歩きも楽しく、「スイーツは別バラ」という女子の"本能"も満たせる。木屋町小路で買い物もいい。
温泉街散策には、外湯の入浴や買い物、観光音声ガイドができるデジタル外湯券「ゆめぱ」も忘れずに。旅館で精算する「つけ払い」システムで、このマストアイテムを使って温泉街全体を便利に楽しめる。
夢千代の里・湯村温泉 静かで上品な女子旅を
一方、湯村温泉は、かつて吉永小百合さん主演で人気を集めた「夢千代日記」の舞台として知られる山間の湯の郷。春夏は緑に包まれる、静かで上品なたたずまいの「夢千代の里」は、大人の女子旅にぴったりといえる。
温泉街のシンボル「荒湯」からは98度の高熱線が湧出。立ち上る湯けむりが温泉情緒をかきたてる。荒湯での「温泉玉子」づくりも湯村の定番。
美肌の湯として名高い湯村では、温泉を楽しめるスポットが充実。川沿いの足湯でのんびりと湯村の風に吹かれてもよし、源泉かけ流しの温浴施設「薬師湯」や、地熱を利用した「地熱洞」での天然サウナ体験を楽しんでもよし。
湯村の温泉は日本屈指の高熱温泉だが、ほどよく汗が流せ、湯あがりはさっぱり。緑に囲まれたなかで湯に浸かり、心もリフレッシュしよう。夢千代像や夢千代館を訪れて夢千代の里の風情に触れながら、みんなですべすべの美肌を手に入れるのも女子旅の醍醐味だ。