幸せの象徴に出会う 豊岡・コウノトリと久々比神社
11/12/21
清らかな環境だからこその「コウノトリの郷」
幸せを運ぶ鳥、コウノトリ。国の特別天然記念物であり、兵庫県の県鳥でもある。そんなコウノトリが住むまちが豊岡市だ。コウノトリが生息できる清らかな自然環境のもと、「幸せ」を求めてコウノトリに会いに行こう。
野生のコウノトリは乱獲や自然環境の悪化などを理由に昭和期に絶滅。日本最後の生息地だった同市は1965年に人工飼育を始め、生息環境の整備から地域一体で増殖に尽力し、今では約100羽を飼育するに至った。国内でも貴重なコウノトリが眺められる地なのだ。
その拠点である県立コウノトリの郷公園は185ヘクタールの敷地内でコウノトリの飼育、研究を行っている。公開ゲージではコウノトリが飛び交う様子が眺められ、コウノトリが雄大に羽ばたく姿は、確かに「幸せ」と自然の素晴らしさを感じさせてくれる。湿地や里山など生息環境も整えられており、人と自然が共生できる環境を考えるのもいいだろう。
コウノトリの郷公園を訪れた際におすすめしたいのが、近隣にある久々比(くくひ)神社。本殿が国の重要文化財にも指定されている由緒ある神社だが、本殿に続く橋の欄干にはコウノトリが描かれているように、実はコウノトリゆかりの神社でもある。
日本書記に同神社の起源となるコウノトリの伝説が残されており、子宝や安産にご利益があるとされる。今も多くの女性が祈願に訪れ、本殿にはコウノトリの絵柄が描かれた絵馬が数多く奉納されている。コウノトリの郷公園とセットでまわる旅行者も多いという。
赤ちゃんを授かるのは、やはり女性の幸せ。小さく静かなたたずまいの同神社を訪れ、幸福を祈願したい。