真田氏ゆかりの地めぐり(2) 真田丸大河ドラマ館・松代
大河の世界へ
上田城跡公園内の旧上田市民会館を改装して今年1月にオープンしたのが「信州上田 真田丸 大河ドラマ館」。ドラマの展開に合わせて展示内容を変えながら17年1月15日まで無休で営業する。
館内は来館者を大河ドラマの世界に引き込むプロローグ展示から始まり、バーチャルな戦国時代へとタイムスリップしていく。上田城と上田合戦の解説から、ドラマで使用した衣装や武具の展示など、ドラマの世界と戦国を行き来しながら、大阪の陣、「真田丸」へと展示はなだれ込んでいく。
真田丸シアターでは上田市内でのロケ風景やドラマのメイキングの一端が楽しめる。ロケ風景にある、上田市街地方面を見渡す絶景は、実際に真田の郷にある「真田氏本城跡」で撮影したもの。幸村も見たであろう景色が見たくて、ドラマ館を出た後に訪ねてみた。
大河ドラマ館前に、12月4日までの期間限定で設けられているのが「上田城真田茶屋」。ご当地グルメ、団子、ソフトクリームといった軽食を6店舗が提供、城下町風青空フードコートとして人気を集めている。
そのほか市街地にある真田氏ゆかりの場所としては、上田駅前の幸村騎馬像、上田藩主居館跡、池波正太郎真田太平記館などが徒歩10分以内程度に集積している。上田城跡公園向いの観光会館は売店が充実している。
信之から10代続いた城下町
1622年、徳川幕府により真田信之が上田から松代城に転封されて以降、真田氏10代が城主を務めたのが松代城。真田10万石の城下町として繁栄し、江戸時代初期の動乱以降、松代藩10代の史跡を、松代城跡公園を中心に見ることができる。
真田町では今年、真田宝物館、真田邸、文武学校、松代城跡を主な会場に「信州松代 真田大博覧会」と銘打った催しを12月12日まで開催している。
このうち真田家12代当主・幸治氏から譲られた武具、調度品、書画、文書などの大名道具を収蔵・展示する真田宝物館では、大河ドラマ「真田丸」関連特別企画として「戦国の絆」展を行っている。真田家が乱世を乗り越え、信濃の小豪族から大名として自立した過程を、親子、兄弟、家族、地域などの絆を切り口に、豊富な史料からたどる。
館内はテーマ別に、「戦国の真田」「信濃の武士の関ヶ原」「乱世を生きた人とモノ」で構成。武田、上杉、北条、徳川など様々な武将と交わした書状や、武田信玄から拝領した法螺貝、甲冑などの武具、戦利品などが展示されている。
企画展は大河ドラマの進行に合わせ衣替えし、「真田 乱世を生き抜く」(6月27日まで)、「真田 天下分け目をゆく」(6月29日―9月26日)、「真田 近世大名への道」(9月28日―12月12日)を予定している。
真田宝物館から真田邸、文武学校、松代城跡のあたりは、歩いていて気持ちがいい。空は広く、のどかで、中学生にあいさつの言葉をかけられるのも気持ちよさの理由。堀に囲まれた松代城跡は公園として整備されている。草地が覆う土手によじ登り歩くのも自由。管理のおおらかさも魅力だ。
かつては千曲川から水を引き込んだ堀が、多層に城を守っていた。櫓から千曲川は望めなかったが、遠くに北アルプスの連なりが見えた。
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