真田氏ゆかりの地めぐり(1) 上田城跡公園・真田の郷
真田一族の故郷、信州上田。真田氏ゆかりの地は、昌幸が1583年に築城した上田城を中心に広がる城下町と、北東へ車で15分ほど山間を上った場所に位置する真田氏発祥の地、真田の郷に大別される。真田ゆかりの地めぐりは市街地は徒歩で、真田の郷は車があった方が便利だ。
合戦の舞台は今はアニメの聖地に
2度にわたって多勢の徳川軍を撃退した城として有名。現在は上田城跡公園として、正面に復元された東虎口櫓門・南櫓・北櫓が観光客を出迎える。
2009年には上田市内を舞台にしたアニメ映画の名作「サマーウォーズ」が大ヒット。映画で主役の大家族が住むのが、東虎口櫓門をイメージさせる屋敷。サマーウォーズの聖地として、上田城跡公園には若い旅行者も多い。
園内には眞田神社や市立博物館があり、堀を一周する散策路や、正面東側に緑濃いけやき並木が連なる。普段は市民や旅行者の憩の場として、静かで平和な公園も、今年は、連日、観光バスをはじめ大勢の来訪者で賑わっている。団体客や個人客向けのガイドプランも用意している。
東虎口櫓門前の広場では、毎日午前、午後の2回、戦国時代の装束や、カラフルにアレンジした衣装を身に着けた「信州上田おもてなし武将隊 真田幸村と十勇士」のメンバーが記念撮影に応じている。週末には公園内で演舞も披露している。武将隊は「追っかけ」も現れる人気で、上田市では武将隊の公式ウェブサイトでプロフィールや出陣スケジュールなどを紹介している。
真田氏発祥の地 往時に思い馳せ
06年に上田市と合併する以前は、真田町だった。真田氏発祥の地は、今は真田の郷と呼ばれている。市街地から北東へ車で15分ほど。上信越自動車道を過ぎると、上りもきつくなる。
昌幸が上田城を築城する以前の居館、真田氏館跡はひっそりとした林の中にあった。地元では、今でも敬愛の情を込めて「お屋敷」と呼ばれている。徒歩すぐの真田氏歴史館には、一族の歴史を古文書や武具、模型などで紹介している。
真田氏本城は山城。本城跡は市街地側になだらかに土地が広がり、北側は断崖。天然の要塞として、ここに山城を構えた理由が素人にも分かる気がした。草地のスロープからは市街地方面にさえぎるものがなく、大河ドラマ館のシアターで見たのと、同じ風景が広がっていた。
真田の発祥地は、真田丸の幟で飾られていたものの、観光地色はなく、真田が歴史に登場する以前に思いを巡らすのに、いい場所だった。
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