横綱「砂湯」と源泉かけ流し-湯原温泉
17/05/24
「本物温泉」を宣言
湯原温泉といえば、ダムを背景に広がる公衆露天風呂「砂湯」の風景。露天風呂番付で横綱にランクされるほどの風情と風格を有している。弥生時代にはたたら製鉄に従事する人が、戦国時代には宇喜多秀家の母が体を癒したとの歴史があり、古くから地域とともに歩み、愛されてきた。
泉質は低張性アルカリ高温泉で神経痛や関節痛など様々な効能がある。特徴的なのは15ある源泉すべてが自噴泉であり、毎分4千リットル近い湯が自然湧出するという豊富な湯量を誇る。利用可能な湯量だけでも家庭用の風呂に換算すると、1日あたり約2万9千人分に達するという。
だからこそできるのが湯原温泉の大きな魅力「源泉かけ流し」。湯原町旅館協同組合の加盟旅館では源泉かけ流しの浴槽を持っており、循環ろ過していない新鮮なお湯が常に楽しめるのだ。
「本物温泉宣言」を行い、源泉100%に魅力を全国に発信。自然噴出の泉源保護のため温泉掘削を行わない▽安全で衛生的、新鮮な温泉利用に努める▽浴場に温泉分析書を提示し該当する浴槽に「源泉かけ流し」の表示を行う▽「温泉指南役」を従事させるなどの条件を会員旅館に課している。各旅館の家族風呂では、希望者は「新湯都度張替」というぜいたくな体験ができるというのも湯原ならでは。
「温泉指南役」とは湯原温泉の歴史や泉質などの知識、「砂湯」の入浴方法をガイドするという湯原独自の資格制度。旅館関係者の多くが資格を持っており、一般客でも取得できる。